夏川りみ ★ 沖縄民謡 『てぃんさぐぬ花』 "Tinsagu nu Hana"
「てぃんさぐ」はホウセンカ(鳳仙花)のことで、沖縄県では古くからホウセンカの汁を爪に塗って染めるとマジムン(悪霊)除けの効果があると信じられていました。てぃんさぐの花が爪先に染み込むように親の意見を肝に染めなさいと、親や年長者の教えに従うことの大切さを歌っています。
1972年(昭和47年)の沖縄返還以前、1966年(昭和41年)に「てんさぐの花」のタイトルでNHK「みんなのうた」放送曲として山本直純編曲、中村浩子と杉並児童合唱団の歌唱で放送されました。
一、てぃんさぐぬ花や 爪先に染みてぃ 親ぬ寄し事や 肝に染みり 二、天ぬ群り星や 読みば読まりしが 親ぬ寄し事や 読みやならぬ 三、夜走らす船や 子ぬ方星目当てぃ 我ん生ちぇる親や 我んどぅ目当てぃ 四、 宝玉やてぃん 磨かにば錆す 朝夕肝磨ち 浮世渡ら 五、誠する人や 後や何時迄ん 思事ん叶てぃ 千代ぬ 六、 なしば何事ん なゆる事やしが なさぬ故からどぅ ならぬ定み 七、 行ち足らん事や 一人足れー足れー 互に補てぃどぅ 年や寄ゆる 八、 あてぃん喜ぶな 失てぃん泣くな 人ぬよしあしや 後どぅ知ゆる 九、 栄てぃゆく中に 慎しまななゆみ ゆかるふどぅ稲や あぶし枕 十、 朝夕寄し事や 他所の上も見ちょてぃ 老いのい言葉の 余いとぅ思な |
一、ホウセンカの花は 爪先に染めて 親の教訓は 心に染みなさい 二、天上に群れる星は 数えれば数え切れても 親の教訓は 数え切れないものだ 三、夜に走らせる船は 北極星を見つけ 私を生んだ親は 私をこそ見つける 四、 宝玉であっても 磨かなければ錆びる 朝夕と心を磨いて 浮世を渡ろう 五、 正直な人は 後々のいつまでも 希望は叶えられ 末永く栄える 六、 何事も為せば 成るものだが 為さぬせいだからこそ 成らないだろう 七、 行き届かないことは 互いに助け合って 互いに補い合ってこそ 歳をとる 八、 有っても喜ぶな 失っても嘆くな 人の善し悪しは 後々にこそわかる 九、 栄えていく時に 謙虚さを忘れてはならない よく実るほど稲穂は(垂れて) あぜ道を枕にするように 十、 老人の朝夕の言には 真摯に耳を傾けなさい 老い先短い者の与太話などと 侮るべきではない |
※ ウィキペディアより一部を抜粋で転写いたしました。