世界の花の歌⑪ 沖縄県民謡「てぃんさぐぬ花」 "Tinsagu nu Hana" | 翡翠の千夜千曲

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  夏川りみ ★ 沖縄民謡 『てぃんさぐぬ花』 "Tinsagu nu Hana"

 

  「てぃんさぐ」はホウセンカ(鳳仙花)のことで、沖縄県では古くからホウセンカの汁を爪に塗って染めるとマジムン(悪霊)除けの効果があると信じられていました。てぃんさぐの花が爪先に染み込むように親の意見を肝に染めなさいと、親や年長者の教えに従うことの大切さを歌っています。
  1972年(昭和47年)の沖縄返還以前、1966年(昭和41年)に「てんさぐの花」のタイトルでNHK「みんなのうた」放送曲として山本直純編曲、中村浩子と杉並児童合唱団の歌唱で放送されました。

 

一、てぃんさぐぬ花や
  爪先     ちみさちみてぃ
   親    うやぐとぅ
   肝    ちむに染みり

二、てぃんぶし

   読  ゆみばまりしが

   親   うやぐとぅ

   読  ゆみやならぬ

三、ゆるらすふに

   子  に方星ふぁぶし目当みあてぃ

   我  わちぇるうや

   我  わんどぅ目当みあてぃ

四、 宝玉たからだまやてぃん

 磨     みがかにばさび

    朝夕    あさゆ肝磨ちむみが

   浮世      うちゆわた

五、 まくとぅする人や

    後や何時いちまでぃ

     思事    うむくとぅかなてぃ

   千代   ちゆ

六、 なしば何事なんぐとぅ

   なゆるくとぅやしが

    なさぬゆいからどぅ

    ならぬ定み

七、 らんくとぅ

    一人   ちゅいれーれー

    互    たげうじなてぃどぅ

    年や寄ゆる

八、 あてぃんゆるくぶな

    失てぃん泣くな

    人     ひとぅぬよしあしや

    後     あとぅどぅ知ゆる

九、 さかてぃゆく中に

    慎    ちちしまななゆみ

    ゆかるふどぅぅんに

    あぶし枕

十、 朝夕あさゆぐとぅ

       他所  よその上も見ちょてぃ

    老いのい言葉くとぅば

    余いとぅうむ

一、ホウセンカの花は
   爪先に染めて
   親の教訓は
   心に染みなさい

二、天上に群れる星は

   数えれば数え切れても

   親の教訓は

   数え切れないものだ

三、夜に走らせる船は

   北極星を見つけ

    私を生んだ親は

      私をこそ見つける

四、 宝玉であっても

   磨かなければ錆びる

   朝夕と心を磨いて

    浮世を渡ろう

五、 正直な人は

    後々のいつまでも

    希望は叶えられ

      末永く栄える

六、 何事も為せば

   成るものだが

       為さぬせいだからこそ

      成らないだろう

七、  行き届かないことは

    互いに助け合って

    互いに補い合ってこそ

     歳をとる

八、  有っても喜ぶな

    失っても嘆くな

      人の善し悪しは

     後々にこそわかる

九、  栄えていく時に

    謙虚さを忘れてはならない

     よく実るほど稲穂は(垂れて)

     あぜ道を枕にするように

十、  老人の朝夕の言には

       真摯に耳を傾けなさい

      老い先短い者の与太話などと

   侮るべきではない

 

  ※ ウィキペディアより一部を抜粋で転写いたしました。