ファーディ・グローフェ (Ferde Grofé, 1892年 - 1972年)
グローフェが書いた「ミシシッピー組曲 - 音による旅行」の4曲目に、マルディ・グラ(Mardi Gras)と言う曲があります。いきなりこんなことを書かれても訳が分かりませんが、30歳以上の方であれば、テレビ番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」と言う番組をご存知の方はきっと聞いたことがあるのではないでしょうか。
グローフェ の「ミシシッピー組曲 - 音による旅行」は、1.父なる河(Father of the Waters)、2.ハックルベリー・フィン(Huckleberry Finn)、3.オールド・クレオール・デイズ(Old Creole Days)、4.マルディ・グラ(Mardi Gras)この4曲で構成されており、その4曲目の一部をクイズ番組で使用したのです。こんな例は、最近だと「なにこれ珍百景」に、ムソルグスキーの展覧会の絵の終曲キエフの大門が使用されているのが知られています。
Mississippi Suite - Ferde Grofé (Texas Medical Center Orchestra)
この頃の人達の生きざまを見ると驚きますね。自分が如何に度胸がなくこじんまりとしているか恥ずかしくなります。グローフェは、クラシック音楽家の家に生まれています。父親はバリトン兼俳優、母親はチェロ奏者で音楽の教師でした。14歳のときに家を出て、牛乳屋、トラックドライバー、新聞の売り子、エレベーター係、製本屋の助手、バーのピアニスト、伴奏者などの仕事を転々としていました。ヴァイオリンとピアノを学んで、15歳の時にはダンスバンドに参加し、またブラスバンドでアルトホルンを担当していた、とウィキには書いてあります。
27・8歳の頃には、グローフェはポール・ホワイトマン・オーケストラでアレンジの仕事に就いています。特に有名なのが、ジョージ・ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」のオーケストレーションです。グローフェはガーシュインとほぼ同年代ですが、8歳ほど年上になります。
代表作は組曲「グランド・キャニオン」などのシンフォニック・ジャズのスタイルの作品です。日の出の様子やら、嵐や日没の様子を色彩豊かに描いています。山道を行くでは、カウボーイソングをメロディを口ずさみながら下っていくのんびりとした様子が描かれています。馬のひずめの音は、ココシェルズ問う楽器を使います。シェーンに出てくるビクターヤングのテーマはこの曲に触発されたのではないか勘繰っていますが違いますかねえ。この曲を思い立ったのは、1920年頃で曲を書き上げたのは1931年。シェーンは1953年ですので可能性は0ではないと考えています。ところでTexas Medical Center Orchestraの存在は知りませんでした。ご存知の方は教えてください。
Grofe Grand Canyon Suite
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー、グローフェ:グランド・キャニオン&バーバーのアダージョ
オーマンディ(ユージン) (アーティスト, 指揮), フィラデルフィア管弦楽団 (演奏) 形式: CD
