これも著者から直接購入。先日のロフトイベントの打ち合わせで一緒に入ったスタバの席で、行商よろしく大量の在庫を抱えてやってきた著者からその場で「岩本太郎様」とサイン&日付入りで買っちゃったもんだから、こりゃもう古本屋に売るわけにゃいかない(笑)。
しかし凄い表紙だ。「まるでエヴァンゲリオンだ」と誰かも言ったが、予算の関係からか帯が着かないため、カバーの下部にぎっちりと章見出しとリードが書いてある。

いや、凄いのは表紙だけではない。中身で描かれている世界も凄絶の一言に尽きる。「債権回収」という名の凶悪ビジネス、今やここまで来ていたのか……と、読みながら背筋が寒くなる一冊だ。
そもそも先日のロフトイベントは9月末の武富士の破綻を受けてという意味合いのほかに、三宅さんがこの本を上梓するにあたって「何かやりたいね」と、一緒に飲みながらの話に出た(ゲラ刷りを酒の席まで持ってきたから)ことがきっかけだった。
あの武富士がついに破綻に追い込まれたということで、世間的には「悪名を馳せたサラ金業界の無法ビジネスにもようやく幕が引かれたか」という安堵感が、もしかしたら広がっているのかもしれない。しかし実態はというと、とんでもない。むしろこの「武富士破綻」は第一幕の終わりに過ぎず、逆にこれから妖しげな第二幕がまさに始まろうとしているのではないか――。
「債権回収ビジネス」と言っても即座にはピンと来ない人も多いだろうが、要は次のようなことだ。
例えばあなたがサラ金のA社から金を借りたとする。それが法外な利息(法律上の上限を超えた金利)で雪だるまのように膨れ上がり、あなたは首が回らなくなる。その場合どうするか? 法律に照らしたうえでのきちんとした「自己破産」という手立てがあるし、そもそも違法な金利に基づいて過剰に払わされた(法律で定められた上限の金利を超えた)返済額については「過払い(かばらい)金」として、サラ金会社から取り返すことができる。武富士が破綻に追い込まれたのも、この過払い金(要するに過去の違法な貸付&取り立てのツケ)の返還が会社経営を圧迫したからだと報じられている。
ただし問題は、ここでA社からあなたがした借金(債務=貸した側から見たら債権)が、あなたの知らない間に他のB社やC社に売り飛ばされていたりするケースがあるということだ。この場合、A社は他に債権を売り飛ばしたことでいくらかの現金を回収できるが、今度は代わってB社やC社があなたあてに借金を取り立てにかかる。もちろん、その場合の金額はさらにゲタを履かせたものになるし、何よりそれ自体が水面下の違法なところでやられていることなので、金額はますますエスカレートしていく。しかもB社やC社だったのが、次にはD社やE社といった得体の知れない業者(ひらたく言えば「闇金」)の手に渡っていき、あなたは見も知らずの人間からの執拗な取り立て攻勢により正気を保てなくなってゆく……これが本書で描かれる「債権回収ビジネス」の知られざる実態だ。
悩ましいのは、こうした無茶苦茶な債権回収ビジネスにサラ金会社どころか、アメリカの巨大資本、さらには何と学生向けの奨学金を運営する日本学生支援機構(旧「日本育英会」)や国土交通省まで関わってきたということだ。しかも取り立てる相手は学生や生活困窮者といったカネもなく法律知識に疎い人たちが多く、中には弱みに付け込まれたあげくに自殺へ追い込まれた事例も一再ではないという。
こう書いても「それでも私は借金なんかしてないから関係ないもんね」という向きもいるだろうが、とはいえそういう人でも悠長に言っていられない。なぜなら、親族に借金をしている人がいたり、何の気なしに誰かの「連帯保証人」になっていただけで、ある日突然、身に覚えのない取り立てに晒されてしまうといったケースもあるからだ。
私にしたって今のところ幸いにして借金こそないが生活困窮の泥沼にはいずり回っている身であり、学生時代には日本育英会の奨学金を受けていた(既に返済し終わったけど)こともあるだけに、読みながら正直、他人事とは思えなかったくらいだ。
ともあれ、まずは本書をお読みくださればとお勧めします。何しろ著者自身が売り歩いているくらいの本なので書店店頭ではなかなか見つからないかと思いますが(笑)、念のため、著者は中央線沿線の安アパートで寝袋に包まりながら(今でもそうなのかな?)巨悪と戦い続けている人なので、どうか御安心&御購読のほどを。ではでは。
しかし凄い表紙だ。「まるでエヴァンゲリオンだ」と誰かも言ったが、予算の関係からか帯が着かないため、カバーの下部にぎっちりと章見出しとリードが書いてある。

いや、凄いのは表紙だけではない。中身で描かれている世界も凄絶の一言に尽きる。「債権回収」という名の凶悪ビジネス、今やここまで来ていたのか……と、読みながら背筋が寒くなる一冊だ。
そもそも先日のロフトイベントは9月末の武富士の破綻を受けてという意味合いのほかに、三宅さんがこの本を上梓するにあたって「何かやりたいね」と、一緒に飲みながらの話に出た(ゲラ刷りを酒の席まで持ってきたから)ことがきっかけだった。
あの武富士がついに破綻に追い込まれたということで、世間的には「悪名を馳せたサラ金業界の無法ビジネスにもようやく幕が引かれたか」という安堵感が、もしかしたら広がっているのかもしれない。しかし実態はというと、とんでもない。むしろこの「武富士破綻」は第一幕の終わりに過ぎず、逆にこれから妖しげな第二幕がまさに始まろうとしているのではないか――。
「債権回収ビジネス」と言っても即座にはピンと来ない人も多いだろうが、要は次のようなことだ。
例えばあなたがサラ金のA社から金を借りたとする。それが法外な利息(法律上の上限を超えた金利)で雪だるまのように膨れ上がり、あなたは首が回らなくなる。その場合どうするか? 法律に照らしたうえでのきちんとした「自己破産」という手立てがあるし、そもそも違法な金利に基づいて過剰に払わされた(法律で定められた上限の金利を超えた)返済額については「過払い(かばらい)金」として、サラ金会社から取り返すことができる。武富士が破綻に追い込まれたのも、この過払い金(要するに過去の違法な貸付&取り立てのツケ)の返還が会社経営を圧迫したからだと報じられている。
ただし問題は、ここでA社からあなたがした借金(債務=貸した側から見たら債権)が、あなたの知らない間に他のB社やC社に売り飛ばされていたりするケースがあるということだ。この場合、A社は他に債権を売り飛ばしたことでいくらかの現金を回収できるが、今度は代わってB社やC社があなたあてに借金を取り立てにかかる。もちろん、その場合の金額はさらにゲタを履かせたものになるし、何よりそれ自体が水面下の違法なところでやられていることなので、金額はますますエスカレートしていく。しかもB社やC社だったのが、次にはD社やE社といった得体の知れない業者(ひらたく言えば「闇金」)の手に渡っていき、あなたは見も知らずの人間からの執拗な取り立て攻勢により正気を保てなくなってゆく……これが本書で描かれる「債権回収ビジネス」の知られざる実態だ。
悩ましいのは、こうした無茶苦茶な債権回収ビジネスにサラ金会社どころか、アメリカの巨大資本、さらには何と学生向けの奨学金を運営する日本学生支援機構(旧「日本育英会」)や国土交通省まで関わってきたということだ。しかも取り立てる相手は学生や生活困窮者といったカネもなく法律知識に疎い人たちが多く、中には弱みに付け込まれたあげくに自殺へ追い込まれた事例も一再ではないという。
こう書いても「それでも私は借金なんかしてないから関係ないもんね」という向きもいるだろうが、とはいえそういう人でも悠長に言っていられない。なぜなら、親族に借金をしている人がいたり、何の気なしに誰かの「連帯保証人」になっていただけで、ある日突然、身に覚えのない取り立てに晒されてしまうといったケースもあるからだ。
私にしたって今のところ幸いにして借金こそないが生活困窮の泥沼にはいずり回っている身であり、学生時代には日本育英会の奨学金を受けていた(既に返済し終わったけど)こともあるだけに、読みながら正直、他人事とは思えなかったくらいだ。
ともあれ、まずは本書をお読みくださればとお勧めします。何しろ著者自身が売り歩いているくらいの本なので書店店頭ではなかなか見つからないかと思いますが(笑)、念のため、著者は中央線沿線の安アパートで寝袋に包まりながら(今でもそうなのかな?)巨悪と戦い続けている人なので、どうか御安心&御購読のほどを。ではでは。