ノックの音で我に返った。
今日は午前中は休みでベッドに時間が許す限り寝転んでいようと思っていた。
久しぶりの休みだというのもあるけれど、
何より夢の中で会えるのが嬉しくて。
男らしい肩にもたれかかって、日焼けした私よりももっと黒い腕に絡まって。
確かにここにある温もりに心を許していた。
「ねぇ、いるの?」
「はい」
「専務が珍しく桃くれたから持って来たよ。冷えてるからね」
「どうもありがとうございます」
「…寝てたの?」
少しだけ開いたドアの向こうから問うてくる。
「昼は14時半出勤だからね」
ドアが閉まる音を後ろにしながら桃に鼻を寄せた。
ヒンヤリしていて少しざらつきがあって、控えめだけど弾けそうな香りを湛えている。
テーブルの上に置いて、私は再びベッドにもぐり込んだ。





