追放
ここは追放の僻地
耕すことの不可能な時間
わたしのなすべきことは頽落した観念の
すでに使われることのない錆びついた鎧を身につけること
救うべき、救われるべき何ものも持たず
何を耕せというのか
鍬と鋤
しかし脳のなかの亡霊は
手のうちに滲む痛みを知らず
墓につづく坂道を這いながらも
黄金にかがやく幻想をもとめる
では問題の幻想は蛇、あるいは鉈
それも他者の──
ここは追放の僻地
耕すことの不可能な時間
砂になって掌からこぼれ落ちる時間
しかもあなたは手袋をつけたままの
観念の遊び
では何が必要なのか
影ではない肉体
ひとつの身に添う影では多すぎるというのか
あるいは少なすぎるとでも
すべて抽象ではないか
観念ではないのか
額から撫であげる頭髪とは書けないか
ここは追放の僻地
戻せる時間は何処にもない
2022/05/01