夢を見ていた/「Pearl パール」を観た | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。




  ​Pearl パール





夢を見ていた

X エックスの続編、パールを観ました。タイ・ウエスト監督のこのシリーズはXの時から期待してたし、好きなシリーズなわけですが、Xに引き続き、素晴らしい1本になっていました。

Xのあのおばあちゃんの過去のお話なわけですが、まあ切なくてね…。Xの時点でのあのおばあちゃんも、めちゃくちゃ怖いのになんとも言えない切なさを纏ってましたけど、振り返ってあのおばあちゃんがより切なくなるような…そんな映画でございました。

何かがきっかけであのおばあちゃんはサイコパスになっちゃったのだとてっきり思ってましたが、なんと普通にナチャラルボーンでサイコパスだったという。

家庭環境のせいで外との接触がなかったから気づかなかっただけで、あのタイミングで外と接触しちゃったことでそれが露わになっちゃったもろもろ、みたいな描写もかなりの切なさでした。そしてあのオーディションですよね。それまでも歌って踊るような描写はあるんだけど、それはあくまで主人公の頭の中みたいな感じで、身も蓋もなく外から彼女の歌と踊りを見ると、、もう本当に切ねぇよ…。しかも主人公はいけると思ってるし、最高のパフォーマンスと信じてるのが余計に痛い。おそらくあのオーディションが彼女にとって初めてパフォーマンスを他人に見せた瞬間で。それまで人との接点がなく、外からの視点=批評がないなか育ったら、そりゃあそうなるのかもなという恐ろしさもありました。

Xの時点ではてっきり本当に女優さんだったのかと思ってたんですよね私。まさかこんなことになってたなんて。そしてそれまでも相当やばかったけど、あのオーディションがトイガーになって、彼女の生まれ持ったサイコパス性に火がつく感じも凄かったし、切なかったな。もう動き出した歯車が止まらなくなるように行くところまで行く…かと思いきや、Xの時点まであの夫婦はあそこに一応生きてるわけで、そう考えるとあそこで帰ってきた夫、マジすごいですね。あの状態から、あの奥さんの面倒を見続け、捕まることなく、ばあちゃんになるまで2人で生き続けたわけで。あの旦那さんは、とんでもないたゆまぬ努力とそして愛があったのかもなぁと。思うわけでした。どっちかというと、描かれていない映画終わってからXまでのあの夫婦にあったであろう時間を想像して泣けました。

というわけで、Pearlを観てXを観ることで振り返ってXの評価が上がるような、そんな理想的なプリクエルだったと思いました。おもしろかった!