SW新作ドラマ「オビ=ワン・ケノービ」を全話観た | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。



  ​オビ=ワン・ケノービ



監督:デボラ・チョウさん

出演:ユアン・マクレガーさん、他

余白のない世界へ




SW新作ドラマ「オビ=ワン・ケノービ」を全話観ました。時系列的にはエピソード3と4のあいだ。エピソード3と同キャストのユアン・マクレガーがオビワン役をやるという本作。予告が意外とよく見えたので楽しみにしていたのですが、楽しみにしてた自分を呪いたいくらい、私は「マジでこれないわぁ…」という作品でした。全く乗れず、ここまで不要なドラマよく作ったなぁと思います。マンダロリアンのような気合の入りっぷりも見えず、どこを切り取ってもただただ残念なドラマでした。



最終話だけかろうして見どころはあったものの、とにかく「つまんねぇ」というのが率直な感想でした。


まず話がすごくノロくて、かつドラマシリーズとしてのフックも弱くて、見進めるモチベーションがとても低かったです。そもそも、この話いる?っていうのは置いとくとして、レイアとルークの幼少期というエピソード4へのブリッジとしてあまりにも重要な要素をこんなに適当にやっちゃっていいの?って思っちゃったなぁ。物凄く重要な話な割に明らかに作り手の熱が低い(気がする)。


そもそもここまで帝国側に身バレしちゃうとエピソード4までの間にみんな何事もなかったことが不自然なほど。あまりにも今作で情報が帝国側にバレすぎじゃないか?最終話のルークの一件もエピソード4のことを考えるとちょっとあまりにも事件性がデカすぎな気がする。こどもにとってあの体験はとんでもないトラウマじゃね?とか。描かれなかった余白が後から描かれたことにより生じる齟齬とか、違和感、解釈不一致感がいちいち気になります。話が直接的に繋がってることが明白なだけに。




あとアクションですけど、この作品全体的にアクションシーンの距離感がおかしいのがすごい気になったんですよね。その距離でその数ブラスター撃たれたら全員蜂の巣だろみたいな距離感で銃の撃ち合いをしているシーンがすごい多い。籠城戦がいくつかあるけど、そのどれもにこれを感じたりしましたね。


ベイダー周りは解釈不一致が多かったなぁ。

このドラマ唯一の解釈一致はレイアかなぁ。レイアの子役の子はほんととても良かった。


なんか全体的にカタルシスがないというか。盛り上がらねぇ、という話が続くし、アクションはノロイし話の展開もノロイ。全話全体のバランスがなんかおかしくて前半ノロノロ進んで後半慌てて終わらせた感が否めず。超重要なブリッジを適当に作ったせいで常にノイズを感じ、全てがエピソード1〜6ありきなので今作ならではのフレッシュな魅力がない。まとめると出来の悪い同人誌って感じで、近年のスターウォーズシリーズのダメなパターンの時のやつが全部詰まってた、という意味では悪い例としての価値はあるかもしれません。私は駄作だと思います。