MCU新作「ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス」を観た | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。



  ​ドクター・ストレンジマルチバース・オブ・マッドネス




監督:サム・ライミさん

出演:ベネディクト・カンバーバッチさん、他

めっっちゃサム・ライミ




MCU新作ということで「ドクター・ストレンジ」続編観てきました。監督がまさかのサム・ライミということで、どんな映画になんの?と思ってましたが、こーれが観てみるとめっちゃサム・ライミ映画でした。それはもう驚くべきほどに。私が観てるのはMCUだよね?「死霊のはらわた」とか「スペル」じゃないよね?みたいな。


想像と違った方向でものすごく楽しめました!!



MCUって特徴的な作家を引き抜くけど、その作家性が悪い意味でMCU側に食われるパターンってまぁまぁあったと思うんですが、今回のサム・ライミの自我の通しっぷりには驚きました(笑)驚くべきほどサム・ライミで、このMCUという舞台でここまで自分のやりたいことをやれるのすごいですよね。


このサム・ライミ色のドクター・ストレンジになること、というかこのバランスの映画になることを、サム・ライミが押し倒したのか、MCUはどこまでコントロールしようとしたのか、この辺の製作過程がめっっっちゃ気になる!!


そのくらいMCU作品にしては異様なバランスの映画で、しかもその異様なバランスがプラスに振れてるという、個人的には奇跡のような映画でした。めっっちゃおもしろかったなー!



この映画で良かったのは、ドクター・ストレンジの2というより、ワンダヴィジョンの最終話になってたところです。題名「ワンダヴィジョン最終章」とかでもいいくらいですよ。(だから個人的にはワンダヴィジョンだけは必修かなぁと思ったり)。


ワンダの暴走っぷりの切なさったらなくて、どんどんと彼女の「母」が暴走していくさまを見てるとほんとにいたたまれない気持ちになりました。ワンダとワンダが対峙するラスト周辺と、バックに流れる「白雪姫」あのシーンは完璧でしょう。ワンダが自分自身と決着をつけるお話で、個人的にはストレンジの物語という側面はかなり薄くて、あくまでもワンダの作品としてこの作品を観ました。素晴らしかったなぁ。


とにかく2時間にあらゆる要素を詰め込んでる作品なので、物凄い密度で忙しい映画なんですが。1点気になったのはこの作品で始まったことではないけど、「マルチバース」という言うなればなんでもありなものを使えるようになったことで、なんか、キャラクターの死がすげぇ軽く感じちゃうというのはある気がします。今回の新キャラアメリカちゃんがまじでチート級の能力者ということもあり、少々誰かが死んでも別の世界から連れてくればよくね?みたいな感じになんないのかな?とか。あと、中盤で出てくるとある大物キャラクターとかも、なんかあんなに軽く扱っていいキャラかなぁ?とか思わなくはない(笑)いくらでもあの論法でファンサービスが可能になるという…なんか嬉しいけど嬉しくないというか、急にこれまで積み上げてきたもののありがたみがなくなるなぁマルチバースって。とか思ったりもしました。


まぁそれはともかくとして、とにかくMCU作品の中でもトップレベルで異様な作品でした。が、そこがおもしろいところで、とても楽しめました。ワンダヴィジョンが好きでかつサム・ライミファンというのがデカいかな。ここ最近のMCUではトップレベルで楽しみましたー!