ラストナイト・イン・ソーホー
想いはガラスを突き破る
監督:エドガー・ライトさん
出演:トーマシン・マッケンジーさん、アニャ・テイラー・ジョイさん、他
ここ数年で最も仕事が忙しく、心身ともに疲弊しているため、映画館に行く元気がなく、かといって家で映画を観る元気もなく、気づけば「花束みたいな恋をした」の菅田将暉状態になっているここ数ヶ月。これはいかん!ということで這いつくばって久々に映画館へ。このままでは本格的に心が廃れる、やばい。そんなわけで、エドガー・ライト新作の「ラストナイト・イン・ソーホー」を観てきました。やっぱりどんなに忙しくても、這いつくばって映画館に行くべきだと思いました。とても素晴らしかったです!
正直観る前の情報はエドガー・ライトの新作であるという情報だけで予告も観てない状態だったので、こんな映画なの?といい意味でビックリ。ポスタービジュアルから、ノワールというか犯罪映画なのかなと思ってましたが、まぁその要素もありつつ、肝は大好物のサイコロジカルホラーという感じでとても良かったです。ベースにロマンポランスキーとかダリオアルジェントとかがありそうな感じで大変に好み。そこにタイムスリップ(?)要素やエドガーライト味が存分にある編集と撮影で描かれる上京物語的な青春映画要素と話の座組が完璧なまでに好みでまぁほんとに楽しかったです。
アニャ・テイラー・ジョイが軸に進む過去パートはマジきつくて、それをただ見るしかない主人公という図もきつかった。憧れていたものの悪夢の部分を見せつけられるというか。だからこそ誰もが名場面として挙げるであろう、時空を越え思いがガラスを突き破るというシーンはかなりグッときました。
最後の方の話の畳み方はやや無理くりな感じもしましたが、でも最終的に時空を超えたシスターフッドに落ち着くというラストシーンは大変に素晴らしかったです。
ちょっと気になるのは、あのハサミを突きつけられ主人公に殺されかけたあのいじめっ子…。あの子とは和解シーンがあっても良かったのかなと思わなくもないですが(笑)
というわけで、エドガーライト新作。大変に楽しみました。