先生、私の隣に座っていただけませんか?/「わからない」状態が人間1番不安 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。




先生、私の隣に座っていただけませんか?

「わからない」状態が人間1番不安
監督:堀江貴大さん
出演:黒木華さん、柄本佑さん、他



ブログを書くのをサボっていたので、こちらも今更感想を。おもしろかったです!!!!(おぼろげ)

ひねったゴーンガールみたいでおもしろい!ってのが感想でしたね。ベースがサスペンスというよりもブラックなコメディに寄ってるバランスが良くて、要所要所で背筋がスッとするシーンが挟み込まれるという感じで、作品全体のバランス感がとても良かったです。全体的なチューニングがめちゃうまいですよね。

内容だけ切り取れば重くなりがちな作品だとは思うんですが、柄本佑のクソだけどなんかキュートというコメディ演技が素晴らしかった。あと不倫相手の編集さんの女の子の絶妙さ。自分が不倫してるのにすげぇ他人事な感じとかこの辺が作品全体をポップにしてる気がしますね。あの編集の子めちゃくちゃ良かったなぁー!顔がなんか忘れられない顔してるというか、吸い込まれるような魅力がある気が。

まぁそんなこんなでずっと目が離せないおもしろさに溢れてたわけですが、感心したのは話全体の畳み方ですね。観終わった後はちょっと夫がやったクソ行為に比べてなんかお仕置きが軽くない?って思ってたんですが。いや、そうじゃないわ、これ今から夫にとって地獄がはじまりますよっていうラストなんだ!と気づき、めちゃくちゃ好きになりました。外堀をもう固められた状態で、ここからこの連載がはじまるわけで、毎週毎週、妻の描く不倫描写がずっーと送られてくるんですよねこれ。それが虚なのか実なのかわからないってのが肝ですよね。「わからない」っていう状態ってのが1番人間が不安になりますからね。ここから夫はずーーーっと不安な状態で妻の連載に付き合わなければならない。なんと気持ちのいいラスト、素晴らしき復讐。ラストシーン、となりに誰か座ってるのか?座ってないのか?は気になるけど、正直助手席に人がいるいないは実はそんなに重要じゃない気もします。夫の地獄はここからはじまる、そんな黒木華のラストの笑みになんか知らんが元気が出ました。いや〜いい映画だったなぁ。とても楽しみました。