イン・ザ・ハイツ
不条理と戦う武器としてのミュージカル
監督:ジョン・M・チュウさん
出演:アンソニー・ラモスさん、他
予告から非常に愉快な感じでとても楽しみにしていた「イン・ザ・ハイツ」を観てきました。とても元気が出ました!
曲が良い、映像が良いというのもあるんですが、全体に貫かれる多幸感と肯定感にやられましたね。これがコロナで死ぬほど大変な今の生活にすごい刺さって、このタイミングでこの映画が出てきたことのタイムリー感に感激しました。
この映画に描かれる不条理とか問題とは方向性は違うかもしれないけど、彼らが抱える問題というのにすごい普遍性があって。何かどうしようもならない問題、ままならない感に晒されてる人間みんなに刺さる映画ではないだろうかと思いました。
どのミュージカルシーンも忘れ難いんだけど、全体としてこの不条理な世の中と戦う武器としてミュージカルが、音楽が、ダンスがあるというのに泣けたなぁ。序盤のミュージカルシーンとラストのミュージカルシーン。どうにもならないことは確かにある、人生はままならない。じゃあ諦めるのか?いや、とりあえず踊ろう!というこのポジティブさと多幸感。ただポジティブなだけじゃなくて、「それでも」踊ろうという、この「それでも」の部分にグッときたんですよね。
ほんと私も仕事がコロナの影響をかなり受ける分野であったりとかで、かなり心折れそうになることがあったんだけど、でもこのとりあえず踊ろうという心意気、このエンタメにすごい元気付けられました。
女優陣の素晴らしさはとても感じて、ここ最近の映画でも最高の女優陣が揃ってると思う。主役の2人の女優はもちろん、あのおばあちゃんとか、美容師チームとか、ほんと素晴らしかったなぁ。
ただ、ミュージカル映画全体に言えるんだけど!ちょっと長くは感じたかなぁと。しょうがないんだけどね。まぁでも、この映画の多幸感の塊っぷりはほんとすごかった。元気が出ました!