クワイエット・プレイス 破られた沈黙
家族間の情報共有と話し合いは大事ですな
監督:ジョン・クラシンスキーさん
出演:エミリー・ブラントさん、他
前作「クワイエット・プレイス」はその年のベストテンに入れたくらい、まぁフラッシュでとても楽しかった映画でして。2作目も初日に観てきました。やや気になる点はありましたが、引き続きとても楽しみました。
1作目もそうでしたが「音を立ててはいけない」というこの設定自体がものすごく映画館向きですよね、嫌でも劇場全体にに緊張感が走り、それを観客が共有せざるを得ない…という、ある程度どんなものが出てきてもこの設定だけでもう勝ってる感じはありますし、実際やっぱりすごいおもしろいですよね。
今回はことの発端となる1日目が描かれるアバン部分がまずとても良かったです。どんなパニック映画もそうですが、日常がどんどんやばくなっていく描写というのはおもしろい。スピルバーグの「宇宙戦争」や近年のゾンビ映画トレンドをうまく踏襲しつつ、ちゃんとマジ怖いパニックシーンになってておもしろかったです。
話が進むにつれ、その場その場で色んなバリエーションの声を出してはいけない状況やタイムリミットサスペンスを生み出してたり、またケレン味を忘れない演出の数々はさすがのもの。しっかりとおもしろい映画になってました。
ただ、全体的に一作目の延長感は否めず、この映画ならではのフレッシュさはやや弱めだったように思います。一作目にやったことの拡大版みたいなものが多く、また人間自体の怖さみたいなものも、ザ悪役みたいなもので処理するのでウォーキングデッド的なうちょっと複雑な人間の醜さみたいなものは見たかったかなぁなど。
あと、1番気になったのは、話を進めるためやサスペンスを生み出すためとはいえ、さすがに主人公チームの全員が勝手に行動しすぎな感じがありこの点は気になりました。誰もが話し合いや情報の共有をせず勝手に動く。百歩譲って最初の女の子の勝手な行動は許容するにしても、その後のお母さんの行動とかはもうちょっとちゃんとなぜ今外に出なきゃいけないのかは息子にちゃんと話すべきだし気をつける点なんかは共有しろよ!!とか思ったり。あとその後の息子が勝手に外に出てピンチになる展開なんかは完全にサスペンスを生み出すためだけの行動に見えるし、外に出る行動原理も謎なので、キャラクターが話の都合上動かされてるように見えちゃうのが残念でした。家族間の情報共有や話し合いというのは大事ですな、という教訓は得られました。
あと細かいところですが少女がショットガンを片手でまっすぐ打つのは不可能では?という、無人電車での銃描写はかなり気になったり(笑)
まぁしかし全体的におもしろいのは確かで、なんだかんだ言ってシーンひとつひとつと緊張感の作り方はうまいので楽しくは見れました。3作目も間違いなく作られそうなので3作目も期待しています。クソでかいスピーカーで爆音でハウリング流して殲滅するシーンは見たいですな。
一作目↓