タイラー・ダーデンがブチギレそう
監督:クリス・スミスさん
大好きなドキュメンタリーである「FYRE」の監督最新作がNetflixで配信開始ということで、観てみました。おもしろかったー!
ちょっと前に大ニュースになったので記憶にある人も多いでしょう。あの裏口入学スキャンダルのドキュメンタリーです。作りとしては再現ドラマと周りの人々の証言を繋ぎ合わせた構成。1人の入学コンサルタントの男を起点に、50人もの関係者を逮捕するにいたったという、まず事件の内容自体がかなりドラマティックなので、そのうち劇映画化されそうだなぁと思いながら観てました。実際、起きてる事件自体がめちゃおもしろいです。
「FYRE」からの流れで言うと、すごく連続性があるというか、今回も「実態のない何か」に狂っていく(バグっていく)人たちの話でした。有名大学を卒業したからといってその人個人が格式高い人間になるかと言えばそうではないわけですが、でも大金を出してでも自分の子供を有名大学に入れて格式高い人間(風)にしたい、という親のエゴ丸出しの様子は見ててとてもおもしろかったです。「ファイトクラブ」のタイラー・ダーデンがブチギレる案件です。
ま、これ日本にも全然ある案件ですよね。だいたい日本の私立大学には「推薦」というものがありますけど、それって正直この映画で描かれたものの延長線にあるものなのでは?とちょっと思ったり。実際、私が卒業した大学にもいろんな推薦枠があって、内申点さえあれば、例えば親が卒業生だったり(パワーがあったり)、実家が特定の分野の企業で受験者が後継者候補だったりしたら、入学できるという推薦枠があったりしました。
実は私もそこに該当する人間だったりして、しかし私は高校でまったく勉強してなかったので、内申が足りず普通に勉強して受験でその大学に受かったものの、ちゃんと授業に出てて内申点が普通にあればぶっちゃけその特別枠の推薦で入れてたという立場だったりしたんですよね…。
正直いま考えるとそれって、この映画で描かれた裏口入学とあんま変わんない気がすると言うか、公式的な裏口入学と言っても過言ではないのでは?と我がことながら思ったりもしました。その分野の勉強をしたい人はいっぱいいて、倍率もかなり高い学部です。ただ実家がどうとか、親がどうとかで、大学に入れるシステムは実際あるんですよね〜、「推薦」という名前で。
裏口入学と推薦って何が違うんだろうか、というのはちょっと考えたりもした、そんな「バーシティ・ブルース作戦」でした。