クルエラ/創作こそが最大の武器である | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。



クルエラ



創作こそが最大の武器である

監督:クレイグ・ギレスピーさん

出演:エマ・ストーンさん、エマ・トンプソンさん、他




Disneyアニメーションでベストテンを組んだら間違いなく入れるくらい「101匹わんちゃん」が好きだったり、監督の前作「アイ,トーニャ」が最高だったり、今年のベスト・エマストーン賞候補だったりするので楽しみにしてた「クルエラ」を観てきました。


想像を遥かに超えて良かった…!かなりグッときちゃいました。




どうやってクルエラというヴィランが誕生したのか、という最近のディズニーがたまにやるヴィラン誕生譚映画。な、わけだけども、これ予告をちゃんと観てなかったのでいい意味でビックリしたんですが話の軸はファッション業界を舞台にした復讐譚、またはファッションバトル映画、創作バトル映画になってて、その要素がなにより最高でした!超楽しい。音楽や画面のデザイン、「アイ,トーニャ」からの流れも感じるクレイグ・ギレスピーによるテンポの良い話運び、動物の使い方や、みんな大好きポール・ウォルター・ハウザーをはじめとする脇役のアンサンブル、そしてなによりエマ・ストーンの存在感と根っこにあるキュートさなど、あらゆる要素が理想的なバランスで配置され描かれてて、個人的には思ってたよりも数段上の完成度の娯楽映画をいただいた気持ちに。「プラダを着た悪魔」的な要素やポンコツ「ミッションインポッシブル」的要素、動物アクションとしても大変好きです。



そして何より良かったのはファッション業界を舞台とした「ものづくり映画」であるところ。ジャンルは違えどものづくりを生業としている私としてはここにこそグッときたし、勇気をもらい元気になりました。


「クルエラ」の良いところは常に武器が己のアイディアと創作意欲であるというところなんですよね。この気持ち良さは個人的に「アイアンマン」に近い。どんな人間であろうと、自らで何かを作り出し、それを武器にするという、手に職をつけてる人間の戦いはなによりも魅力的なのです。創作こそが最大の武器であると言わんばかりの作品でこの部分に大変に感動しました。


ファッション演出の数々もスクリーンで見れて眼福。クライマックスの仕掛けもちゃんと「スカート」が鍵になってるしそこのセリフもまた良し。


あと、わんちゃんが可愛かったし、クルエラもわんちゃんをちゃんと可愛がってたので、この後の流れで「101匹わんちゃん」につながるのはやや難しいのでは?とか思わなくはない。少なくとも現時点で「101匹わんちゃん」のクルエラになるにはちょっと無理ありそう。


ま、そんなことは置いといて、ともかくファッション業界を舞台に「創作」と「アイディア」で復讐し、成り上がる、ものづくり映画の新たな傑作の誕生にとても感動しました。個人的には割と理想的な娯楽映画。まさかこんなにグッとくる映画とは思ってませんでしたが、ともかくめちゃくちゃ刺さりました。個人的には今年のベストテン候補だし、ベスト・エマストーン賞はこれで確定。素晴らしかったです。