ミッドナイトスワン/服部樹咲の圧倒的なスター性 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。




ミッドナイトスワン

服部樹咲の圧倒的なスター性
監督:内田英治さん
出演:服部樹咲さん、草彅剛さん、他


内田英治監督「ミッドナイトスワン」を観てきました。「新しい地図」のオタクをしてる友人に薦められ(脅され)、公開初週に鑑賞。監督の発言など、何かと話題になってる本作ですが…

私は、想像以上にかなり見応えのある映画だったなと思います。



この映画のいちばんの魅力はなにか?と聞かれると間違いなく主演の新人の女の子「服部樹咲」が素晴らしい!!と答えます。この子を見るために、そのスター爆誕っぷりを拝むために、お金を払って決して損はないと思いました。よくこんな子見つけてきたなぁと。とても新人とは思えない凛とした佇まいと、静かながらも溢れ出すスター性に見惚れました。彼女、作中4段階くらい変化していくんだけどその変化の過程がマジでお見事で。ともかく彼女の表情の変化が物語全体を引っ張っていく映画なわけだけど、その役目を新人ながら一身に背負い最高のパフォーマンスを見せた彼女にほんと拍手拍手でした。今の彼女を見れて本当に良かった!

映画全体的にルックがとても良くて、パキッとした撮影と、かけるところにちゃんとお金をかけてる感じにとても好感を持ちました。そんなに予算出てない作品だとは思うんだけど、画面がリッチ。撮影面は全体的にかなり満足度が高かったです。

草彅くんももちろん良かったし、個人的にあのバレエの先生がよかったなぁ〜。卒業式の後にあの先生が出てきたシーンは特に。あぁいう、ちゃんとあの子を見ていて信じてくれた存在がいたということがもう親目線で見てるもんだからうれしくてねぇ〜。わざわざ東京から通って教えてたんだろうなぁとか思うとたまらんもんがあります。


と、全体的に良かったことは良かったんだけども…全体的にちょっとウェットすぎるというか要所要所クドイくらいウェット方向に振ってくるのがかなりノイズでした…もったいない。特に、ラストまわりの回想シーン、あれはいらんだろう!明らかな蛇足であり過剰演出でものすごく残念でした。全体的に盛りに盛ってる映画ではあるんだけど、最後だけはあそこで回想シーンを我慢できる映画であって欲しかったなと思いました。服部樹咲ちゃんが本当に素晴らしかっただけに、なぜ彼女を信じて彼女に託せなかったんだ〜回想シーンを入れずともそれを表現できる力が彼女にはあったはずだし、ここまでやったならそこはやり切って欲しかったなぁと思いました。

あのラストで回想を入れるか入れないかはものすごく重要なことだと私は思います。要は作り手がこの映画をどう見せたいのか…の終着点なわけで。あそこで回想を入れて、ウェットに振り切るという選択をしてしまった時点で、振り返ってこれまで語ってきたお話がすべて陳腐に記号的なものだったように見えてきちゃうというか。ここで泣かせるための道筋だったのか…と全てが見えてしまうガッカリさがこの回想シーンにはあったかなぁと個人的に思うんですがみなさまはどうでしょうか。小さいようでそういう意味では個人的にかなりデカい不要な回想シーンだと思いました。

ま、ともかく完全に服部樹咲ちゃんを中心に見た本作。それほど彼女はものすごく魅力的でした。彼女はとにかく素晴らしかった。これは間違いない事実かと思います。