ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー
最高の映画である
監督:オリヴィア・ワイルドさん
出演:ケイトリン・デヴァーさん、ビーニー・フェルドスタインさん
観る前からもう絶対これは俺の好きな映画だと確信していた「ブックスマート」。ようやくこちらでも公開になったので観てきました。
今年ベスト級!最高の映画である!!
みんな大好き「スーパーバッド童貞ウォーズ」を連想させる物語ですが、今のアメリカでやるスーパーバッドとして完璧な映画になっていたと思います。
兼ねてから、「あぁ、あんなバカバカしいことやってたけど、あれって子供でいていい最後の時間だったんだな…」という後味を残すたぐいの青春映画にものすごくグッときちゃうという癖がある私には、そりゃあ〜グッとこないわけがない作品でした。
死ぬほど楽しく下品に底抜けにバカな展開をしていく本作。この映画でグッときたのは物語の根幹にある「他者を理解すること」と「自分を肯定すること」。そして「他者を理解することで自分を肯定できる」ということだったりしました。
他人とちゃんと向き合わず、なんとなくのイメージで「あいつはこんなやつ」と決めつけてしまうこと、少なからず誰にでもあるじゃないですか。私も振り返って反省することばかりで(そんな黒い部分だけを抜き取ったのが「青くて痛くて脆い」だったわけだが)。でもこの映画の主人公2人は高校最後の一夜で、これまで関わってこなかった、なんならバカにもしていた同級生と関わり合い、これまで知らなかった彼らの姿と向き合う。当たり前だけど、なんとなく群れとして見ていたあいつらもちゃんと個性があり、1人の人間であり、超イケてるイイやつ。そう思えたらもう勝ちでさ、つまり私たちにもちゃんと個性があり、1人の人間であり、超イケてて最高!!
そんな人間と人間が関わり合うことの圧倒的なポジティブさをこれでもかと感じさせてくれる超最高な話でした。キナ臭い世の中、今年もいろんなことがありました。理想論という意見も見たりしたけど、理想を描いて何が悪い!と思うのです。こんな世の中だからこそ、この底抜けにポジティブで風通しの良い「人間と人間が関わり合うことの希望」を描き切った本作、本当に気持ちのいい映画でした。
底無しにバカな展開の数々はほんとどれも超楽しくて最高。忘れがたいシーンだらけです。一夜で様々なことがあり、感情と感情がぶつかり合った翌朝、文字通りの爆走で卒業式に突撃するどうかしてるテンションのクライマックス。最高。
そこから、一夜で少し成長した彼女たちの未来に幸あれ!と思わざるを得ない切なく上品な後味と、からの〜最高なラストショット含め、もういい!お前ら幸せになってくれ!と笑いながら号泣したのでした。
何度も観返すと思います。今年ベスト級の愛すべき青春映画でした。