2分の1の魔法
なぜ全力少年なのかは謎だがいい映画でした
監督:ダン・スキャンロンさん
出演:トム・ホランドさん、クリス・プラットさん、他
ピクサー最新作「2分の1の魔法」を観てきました。予告でなぜか「全力少年」が流れてて、その印象がデカすぎてこの映画の前情報が「全力少年」しか入ってなかったほどでした。観終わった後もなぜ「全力少年」を選んだのかはほんとに謎でしたが、まぁそこはさておき、「2分の1の魔法」とてもいい映画でしたよ。
久々にピクサーらしい新作を見たなと嬉しい気持ちになりました。小さな自己実現だったり、小さなトラウマの克服という、一見小さな、しかし子供から見ると大きな心の変化を圧倒的な世界構築力で魅せるのが僕がピクサーの好きなところなので、その可愛げのない優等生っぷり溢れる作り含め、今作は好きなタイプのピクサー映画でした。
科学が発展したがために魔法がなくなったという世界設定は新鮮でしたね。野良ペガサスとかが歩いてゴミ食ってたりとか、魔法なき世界の成れの果てとしての現在、な描写がいちいちどれもよかったですね。
私も兄弟がいるので、この兄弟感はリアルだなぁと思いましたねぇ。特にぶっ刺さったのは嘘をつくと魔法が解けてしまうというあそこ。兄のことを厄介だと思ってしまってる俺…。というもうあそこはいろいろ泣いたなぁ。あの後の車の気まずさったらないし、どちらの立場になっても辛すぎるよ!!
この辺の2人の関係性がこの父親を蘇らせるという旅を通じて変化していくその過程が大変に丁寧だし、細かいところ拾ってく拾ってく。そして何か新しいものを得る話ではなく、気付く話に行き着くあのチェックリストにチェックを入れるクライマックスは感動しました。ちょっと空いた穴から見るしかないというあの切ないけどめちゃくちゃ品のいい構図感とかもたまらなかったなぁ。
やっぱりピクサーはシリーズものじゃなく、オリジナル作品だな!と改めて思いました。そしてなぜ全力少年だったのかは最後まで謎でした。。