思い、思われ、ふり、ふられ
人類は浜辺美波に抗えない
監督:三木孝浩さん
出演:浜辺美波さん、北村匠海さん、福本莉子さん、赤楚衛二さん、他
三木監督の新作です。観てきました。ティーン向け青春映画を毎度毎度ワンランク上の上質な青春映画に仕上げる名手である三木監督は個人的にかなり信頼している監督でもあるので、とても楽しみにしておりました。
今回も見応えのあるいい青春映画でした…!
「アルプススタンドのはしの方」でも描かれましたが、この映画も「しょうがなさ」と戦うティーンの物語でしたね。主演4人がそれぞれの「しょうがなさ」と向き合い、それぞれが関係しあい、自分たちなりに現実と戦い、向き合い、未来に挑んでいくという開かれたラスト。とてもきれいにまとまった映画だったと思います。
今作の特出すべき点は主演4人のみずみずしい演技と、この4人が織り成すマジックだと思います。とにかく4人全員に幸せになってほしいと思える、きらめきとみずみずしさがあってBaseBallBearの歌詞を引用するなら「変わり続ける君を 変わらず見ていたいよ」という気分であります。
浜辺美波さんに関してはもうほんとに素晴らしくて、毎回見るたびに素晴らしさが増し増しになってるんだけど、どの映画もそうだけど彼女の持つ画面支配力がただごとではないことになってきています。今回は三木監督の女優撮影力も相まって、ほんとにただごとではない浜辺美波でした。画面に出た瞬間から自動的に応援の気持ちが湧き上がるシステムになっていました。もう人類は浜辺美波には抗えなくなっていると思います はい。
そんな感じでほんとに主演4人が素晴らしかった分、個人的にはもっともっと主演4人を信じて、ナレーションを切っていってよかったのではないかと思います。ちょっとナレーションが饒舌すぎる気がして。ナレーションがなくてもその余白を埋められるに足る4人の豊かな演技、信じてもよかったんじゃないかしら。
あと、「アバウト・タイム 愛おしい時間について」が出てくるというのが印象的でした。個人的にはあの映画はすごく苦手な一本ではあるんだけど、でもこの世代の恋愛映画のアイコンとしてこの映画が登場するというのがなんか納得のいくセレクトでした。誰のアイディアなんだろうか。