ランボー ラスト・ブラッド/ラストなどない | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。



ランボー ラスト・ブラッド


ラストなどない
監督:エイドリアン・グランバーグさん
出演:シルベスター・スタローンさん、他


ランボーのまさかの最新作、「ランボー ラスト・ブラッド」を観てきました。ランボーシリーズはかなり好きだし、なにより「最後の戦場」がめちゃくちゃ大好きなので、「えー続編やるのー」とか「どんなことになっちゃうのー」などと心配しておりました。まぁでもランボー大好きだし、なによりスタローン映画だし見ない手はないよねぇ〜


てなわけで「ランボー ラスト・ブラッド」、いろいろ変ではあるんだけどというのはまぁとりあえず置いといて、すごい映画でした。

「最後の戦場」で完全に最高の終わり方をしたと思ってたのに、家に帰ってランボーがなにをやっていたかと思えば家に巨大な要塞のようなトンネルを掘ってたんですよね。何かに備えているのか、恐怖からなのか…とにかくランボーの中ではぜんぜん「最後の戦場」なんかではなかった。最後なんて思ってたのは観客の方であって、ランボー の苦悩に終わりなどない、という映画になってましたね。だからラストブラッドという題名がついてますが、見終ってもこれぜんぜんラストなどなくて、生きてる以上永遠に戦場は続いていくというお話になってました。ものすごく悲しい…。ランボーがランボーであることのの呪いに捉われ続け、もはや安住の地と思われた家ですら呪いの家と化すという。あの家がどこか忌々しく、狂気に満ちたものに見えるんですよね。


序盤なんて定年退職後の優しいおじさんの生活みたいなのが描かれるんだけど、なんかほんとに緊張感がすごいというか、危うい何かを家そのものから感じるという感じで。そこからなんやかんやあって、最終的にその家でクライマックスが行われるわけだけど、もうその家に踏み入れた時点で死が確定してるかのような感じすらしますよね。ラストのアクションというか、大炸裂するバイオレンスはめちゃくちゃ爽快であるんだけど、常にどこか物悲しい虚しさを帯びていました。

国境がガバガバだったり、麻薬カルテルがめっちゃ小規模でショボいとか、女性ジャーナリストの不必要さとか、色々言いたいところはある映画ではありますが、このなんとも物悲しい血塗れのラストシーンになんだかすごく切ない気持ちになりやられたというのが、ランボー ラストブラッドでした。「ランボー 最後の戦場」がランボーのラストとしてもバイオレンスアクションとしても最高の映画であったと個人的には思っているので、まぁ蛇足といえば蛇足なのかなぁ…と思わなくはないんだけど、なんかあのラストシーンのランボーを見るとどうしても胸にくるものがありこれはこれでアリだなと思っちゃう。そんな映画でした。