ハーフ・オブ・イット 面白いのはこれから
そして未来へのバスに乗る
監督:アリス・ウーさん
出演:リア・ルイスさん、ダニエル・ディーマーさん、他
大評判を聞いていた「ハーフ・オブ・イット」をNetflixで鑑賞。これがめちゃくちゃ良かったので少し感想を。好きな要素だらけの素晴らしい青春映画でした。
ラブレターの代筆からはじまる青春映画なわけですが、キャラクターのだれもが愛おしくて優しくて切なくて抱きしめたくなる映画でした。ラブレターの代筆からキャラクターそれぞれ、主に主軸の3人ですが、彼女たちの関係性の変化や、自分たち自身の心の変化、成長、葛藤がものすごくキレイに整理され絡み合い、ほんとに素晴らしい人間ドラマになってました。
一言で恋愛とは片付けられない言葉では表せない複雑な他人への思いみたいなものの描き方がほんとにうまいですよね。それが極に達する温泉シーンはほんとにね、もう素晴らしいシーンでした。
個人的に良かったのはラスト周辺。決着の教会を経て、さまざまな思いを抱えつつも次の人生に進んでいくラストのバスのシーンがほんとに好きです。複雑で言葉にできない思いをもうそのまま言葉にならないまま伝えて、これも一言で成長とはいいづらいところもあるけど、何か自分というものが何者なのかのヒントというか、成長めいたものを抱えて乗るバスでの彼女の表情と、そこで周りの乗客に目をシーンがとても印象に残っています。この周りの乗客を見るというシーンになにかとてもポジティブなものを感じました。
バスと青春映画というと、個人的には「ゴーストワールド」のラストをとても思い出すんですが、作り手は意識してるのかな。あの時のバスとこのバス、どちらも名作だけど作品自体の語るテーマやキャラクター含め、確実になにか時代が進んだようなそんな感覚を得たラストのバスでした。