1917 命をかけた伝令/戦場のリアルと非リアル | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。



1917 命をかけた伝令

戦場のリアルと非リアル
監督:サム・メンデスさん
出演:ジョージ・マッケイさん、他



「1917」を観てきました。アカデミー賞で様々な賞にノミネートされてたし、サム・メンデスだしで、どんな映画なんだろうかと楽しみにしておりました。Twitterの私のTLなんかだとかなり賛否が割れてるんだけども、僕はとても楽しかったです!


ほんとにタイムリーなんですが、この映画を観る1ヶ月前くらいから「コール・オブ・デューティー」ブームが個人的に再びきてまして、過去作をいろいろとやり込んでたんですが、この映画まさにめっちゃコール・オブ・デューティだな…!となりましたね。

よく考えたら雑でよくわからない作戦を告げられる感じもめちゃくちゃコール・オブ・デューティ感があって良いですよね。あれって航空写真で誰もいないんだったらもっと人数増やして行くとかした方がいいんじゃないだろうか…めちゃくちゃ大事な伝令なのにそれにしてはなんかいろいろと疑問というか粗雑な感じがしますがまぁこの感じもコール・オブ・デューティによくあるよね。

まぁ他にもそんなお話の穴的なところはあるんだけどそんなに気にならず、もうとにかく全編緊張感マックスで超楽しかったです。観終わったあと凄まじく疲れました。演出の全ての要素が観客をハラハラさせることだけに焦点が当てられてて、これまでに擬似ワンカットものっていくつかあったけど、ハラハラさせるという一点において1番成功してるのはこの映画なのでは?なんて思いました。それくらい緊張感すごかったなぁ。

めちゃくちゃリアルな戦場描写と非リアルな娯楽映画的・ゲーム的な要素が共存してる感じが個人的にはなんかちょうどいいなと思いました。


後半の夜になってからのシーンはロジャー・ディーキンス節炸裂という感じで、燃える教会や建物の残骸、光と闇のコントラストなど、この世ではないような撮影で素晴らしかったです。

あれは史実なんですかね。ラストはとても救いのあるラストでしたね。カンバーバッチがちゃんと信用してくれて話の通じる相手で良かったなとほんと思いましたね。あそこで、そんなこと知るか!突撃じゃー!と突撃するという地獄を描くというのもそれはそれで戦場の地獄、クソ組織の地獄としてありなのかも…と思うのはつい最近「彼らは生きていた」を観たからかしら…。真逆の描き方で戦争を描いた「1917」と「彼らは生きていた」、2本一緒に見てみてはいかがでしょうか。