トゥループ・ゼロ 夜空に恋したガールスカウト/夜空とボウイ | そーす太郎の映画感想文

そーす太郎の映画感想文

しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。




トゥループ・ゼロ 夜空に恋したガールスカウト

夜空とボウイ
監督:バート&バーティさん
出演:マッケンナ・グレイスさん、アリソン・ジャネイさん、他



SNSでみんな大好きマッケンナ・グレイスちゃんが頑張ってPRしていたので、「トゥループ・ゼロ」を観てみました。Amazonオリジナルの映画です。ただ今配信中。ほっこりないい映画でした!


マッケンナ・グレイスが演じるのはクリスマスちゃんというお母さんを亡くしてる女の子。時代設定は70年代後半ですかね。このクリスマスちゃんが周囲からも浮きがちでなんならいじめられてるくらいで。いつも星空を眺めそこに亡くした母親を見てるという(もうこの時点で心を奪われましたね)。そんなこんなである日ガールスカウトの大会があることがわかり、それに優勝すると人工衛星に自分の声を録音した音声を乗っけてもらえるという権利がもらえるということで星空と母を重ねてきたいじめられっ子マッケンナ・グレイスがガールスカウト大会優勝に向けメンバーを集め始める…!というお話。

まぁとにかく子供たちの演技と人選が素晴らしくてね。他のガールスカウトチームは基本的にお育ちのいいお嬢様だらけの中、マッケンナ・グレイスちゃんが集めるメンバーは片目の女の子や黒人の女の子、野性味あふれる乱暴な女の子、そして1番仲のいい恐らくゲイ男の子、とこれまで仲が言い訳ではなかったけど、みんな周りから疎外されてきた、周りに比べるとめちゃくちゃアウトローなチームを組むことになり、もちろんすげぇいいんですよ。もう見てる方は応援の気持ちが湧き上がりまくり。はぐれものチームがザ・お嬢様な意地悪女の子たちに勝負を挑むというけっこうアツイ展開をしていく…!かと思いきや!まじでみんな言うこと聞かない!笑 油断してるとすぐに喧嘩勃発!飛び交う食べ物と暴言!そもそも大会に行くと言うスタートラインに立つことができるのか…!

このトゥループゼロのメンバーたちの生き生きとした演技とそれぞれの成長、めちゃくちゃしまくるザ・悪ガキ!というシーン多数でとても楽しく見れました。中でもやっぱりマッケンナ・グレイスの存在感と微細な演技はちょっと頭ひとつ抜けててやはりオファーが鳴り止まない彼女はさすがだなと超感服しました。


まぁ楽しい展開やピンチがなんだかんだありつつ、やっと大会に行ける権利を獲得し、ついに大会のステージ発表会!というのがクライマックスなのですが、このクライマックスのステージ発表会がまじ最高で不覚にも落涙しました。デヴィッド・ボウイのあの名曲を歌いつつ(彼がボウイをやるというのも最高だ)、そして全員がステージ上でおしっこをするんだけどこのおしっこに泣かされるんですよね。映画を観るとわかりますが、こんなにも優しさに満ちたおしっこはないし、おしっこで最後の最後に団結するのもアツイし、なにより全員が最後までやり切ったというのがもう死ぬほど誇らしい気持ちになったし、頑張ったね!!!と全員を褒め称え抱きしめたくなりました。ジョジョ・ラビットに引き続き今年はボウイに泣かされるね〜。

ラストの「私はここにいるよ!」と星空に叫ぶシーンも良かったなぁ。映画序盤からずっと感情をおさえてきたマッケンナ・グレイスの感情がここで爆発するのも良かったし、なにより溢れ出る母親への想いにはやっぱ泣いちゃうなぁ。少女たちの忘れられないひと夏の思い出に立ち会えたような気持ちになり、僕はとても好きな映画でした。Amazonでさらりと観るにはちょうどいいバランスの映画でしたので、ぜひ。楽しかったです。