蜜蜂と遠雷
「あなたが世界を鳴らすのよ」
上映時間: 119分
監督: 石川慶さん
出演: 松岡茉優さん、松坂桃李さん、森崎ウィンさん、他
「蜜蜂と遠雷」を観てきました。原作も好きだし、監督は「愚行録」が素晴らしかった石川監督、さらにはこの役者陣、そして松岡茉優。観ないわけないでしょ〜ということで、観てきましたが、超最高でした!
これは原作の話にもなってくるけど、やっぱりキャラクターの座組みが良くて、このメイン4人のキャラの立ちっぷりと関係性はたまらないものがあります。4人それぞれが俺たちの好きな要素を持ってて、結末がどうなろうとこの4人が関係し合いながらコンクールを迎えるだけだドラマになるよねぇ〜
で、原作もそうだったんだけど個人的にはやっぱり栄伝亜夜というキャラクター。あーちゃん。もうね、栄伝亜夜への応援の気持ちが湧き上がりすぎてどうかなるかと思いましたよ。しかもそこに松岡茉優という最強かつ理想の肉体というか実存感をまとって、僕たちの前に現れ、彼女の成長を葛藤を見せられるわけですから、そりゃあもうね号泣ですよね。この応援の気持ちは映画になってさらに増長していて、脚本が原作よりもよりそっちに純化したこととやはり松岡茉優という女優の素晴らしさ、そしてなにより音ですよね。まさに理想的実写化というほかないな…と、かねてからの栄伝派の私にはたまんねぇものがありました。
あと、良かったのが4人が影響しあい、進化しあう様ですね。原作よりもここはすごく強調され膨らませてあったような気がする。天才って、人のせいにしない、誰かを貶めようとか嫉妬するとかバカにするとかしなくて、この4人は純粋に音楽にリスペクトを払って、素直にお互いを高め合う。これがすごく新鮮というか。松坂桃李のキャラクターも天才vs庶民的なありがちなスポ根になりそうだけど、そうはしない。この4人の高め合い、影響し合いが、よく考えるとあんまり最近なかったなというバランスというか関係性で新鮮でした。
僕らには分かり得ない次元の分かり合いを、なんかうまいこと感じ取ることのできるバランスに仕上げててこの感覚は文字化できないんだけど、とても崇高なものを見たような気持ちになりました。天才にしかわからない景色を見せてくれた、映画マジック!とても感動しました。