アラジン
ウィル・スミスの圧倒的な輝き
上映時間: 128分
監督: ガイ・リッチーさん
出演: ウィル・スミスさん、メナ・マスードさん、ナオミ・スコットさん、他
アラジンの実写版をガイ・リッチーが監督という意外過ぎる起用の本作。予告を観た感じだと「うーんこれは大丈夫なのかしら…」と思ってたし、何よりジーニーが青いウィル・スミスじゃん…と半笑いで挑んだ本作でしたが、想像よりずっと良かったしとても楽しめました!
何がよかったって一番心配してたジーニーなんですよね。もうほんとにジーニーが出てるシーンが全部最高でした。最近なんか暗い役ばっかりだったウィル・スミスでしたが、久々に心底楽しそうに、歌い踊り、どんちゃん騒ぎするウィル・スミスが見れて最高の気持ちでした。やっぱウィル・スミスってスターだな!とほんと思いましたよ。圧倒的に華がある、いや当たり前なんだけど、久々に「あぁウィル・スミスってやっぱスターだなー!」と思える映画でした。ウィルスミスが絡むミュージカルシーンはどうかしてて全部最高だったのですが、お馴染みの「ほーにゅーーわーーーーっ!!」のシーンは、世界中を回ってたアニメ版と比べ、城のその辺をクルッと回るだけという感じにスケールダウンしてて、ちょっと残念でした。でも、今回のより現代的になったリブートシーンと、ジャスミンの後半の圧巻ミュージカルを経て振り返ると、ここがやっぱり彼女の軸になってると思うし、この国の中だけの旅がよりこの国をどうしたいのかという彼女のその後のエモーションに繋がってると思ったり、今回はこれはこれでいいなぁと。てかやっぱ改めて名曲ですよね。
そっからどっちかというとこの映画はより現代的解釈なアラジンになっていきます。ナオミ・スコットの見せ場「Speechless」はすごくいい曲でエモかったです。すげぇいい曲だと思いましたし、今回の改変、新たに打ち出されたテーマ性をもろに説明する内容の曲だったので、まぁホール・ニュー・ワールドよりもこっちに物語の山が来てるというのもとても納得。
いわゆる現代的解釈で実写化が繰り返されている最近のディズニーですが、まぁでもやっぱうまいことまとめるよなぁと思いつつ、なんだろうか、すげぇ正しいし、いいんだけど、それをオリジナル企画で描いてほしいなぁ…というのが、今のディズニーに願うことですかね。ディズニークラシックスの過去改変・過去改変の嵐で、なんか正直しんどいというか。オリジナルを正論で上書きするみたいな、若干のやだみを感じつつも、でもこれはこれでとてもよくまとまってて若干アンビバレントな気持ちがあったりなかったり。世紀の駄作「マレフィセント」「メリーポピンズ リターンズ」ほどの事故は決しておこっていない、まっとうな現代解釈リブートだったと思います。ウィル・スミスが100億点でした。