悦楽交差点/視点の反転こそ最高の快楽 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 

 

 

 

 

悦楽交差点

 

視点の反転こそ超スリリング

上映時間: 70分

監督: 城定秀夫さん

出演: 古川いおりさん、麻木貴仁さん、他

 

 

 

超いいということは聞いてはいた城定監督の本作。なかなか観る機会というか手段がなかったんですが、青山シアターでネット配信されてたので観てみました。めちゃくちゃおもしろかったです!!

 

あるストーカーの男の話なんだけど、そのストーカーっぷりが怖いしキモいんだけど、なんだかコミカルで滑稽でもあって、目が離せません。そのストーカー行為が見てるうちにだんだん彼にとってすごく大事なことなんだなぁというか、すごく切実なものに見えてくる。そんな最中、ずっとこちらが一方的に彼女を見ていたと思っていたのに、実はこちらが見られていた!ということがわかる、この視点の反転がものすごくスリリングで、まさに道の向こう側にいた彼女がすぐ隣に寝ている!というあの場面のなんだかホラー的とも取れるギョッとするあの中盤の転換点は、この映画最大風速きましたね。

 

 

後半は一転して、主導権を女性側が取ったセックスゲームが展開。古川いおりさんのエロさも相まって見ごたえたっぷりです。

 

そしてなんといってもストーカーものという枠を飛び越えた突き抜けた晴れやかさのあるラストシーンはすごくいい青春映画を見たなという気になってしまうほど、一般的な「正しさ」を超越したなにかものすごく崇高な愛の形を見ているような気になる、このイビツで不思議な晴れやかさはぜひ味わっていただきたい。

 

噂通り、ものすごくおもしろかったし、スリリングだったし、感動しました。観てよかったです。