【映画感想】「イカロス」 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 

 

 

 

イカロス(Netflix)

 

プーチンを敵にまわすと、どうなるのか。

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監督: ブライアン・フォーゲルさん

出演: ブライアン・フォーゲルさん、グリゴリー・ロドチェンコフさん

原題: ICARUS

上映時間: 121分

あらすじ: ロシア怖い

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アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞したNetflixのドキュメンタリー映画、「イカロス」。Netflixの映画って「いつでも観れる」という安心感からつい観るのを先延ばしに先延ばしにしてしまいがちですよね…。てなわけで、やっと観ました。

 

とてつもないドキュメンタリーでした(((゜д゜;)))

 

映画.comのあらすじはこんな感じ。

ロシア人科学者の証言によって、スポーツ界を揺るがす大規模なドーピング計画の一部始終が明らかにされていく様子を描き、第90回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞したNetflixオリジナルドキュメンタリー。自転車選手でもある監督のブライアン・フォーゲルが、スポーツ界におけるドーピング検査の有用性検証のため、自ら薬物を摂取してドーピング検査を通過できるか実験をしようとしたことをきっかけに、ロシアの専門家グリゴリー・ロドチェンコフと知り合う。しかし、ロドチェンコフがロシアの国家主導によるドーピング計画に関与していることが明らかになっていき、事態はフォーゲルにとっても思いがけない方向へと進んでいく。

 

 

いやぁ、ほんとにすごい奇跡的なことが起きまくる映画でしたね。最初は「ドーピングしまくった俺が、ドーピング検査をパスしてみた」的なドキュメンタリーを撮ろうと進んでいくんだけど、監督にドーピングについての助言をくれてたロシアのドーピングスペシャリストのグリゴリーさんが、ロシアの国家ぐるみのドーピング計画に超関わっていたことがわかり、そのグリゴリーさんがロシアの国家ぐるみのドーピング計画を告発すると、中盤から映画のテーマが大展開。そこから、ロシアから命を狙われている中、監督たちが亡命を助け、告発を助け、ロシアのドーピングの実態を暴いていくという、もうね、前半からは想像もできない事態に発展しましたね。このほんとにたまたま撮れてしまった感というか、リアルタイムで製作者たちすらも戸惑い、迷い、そして立ち向かっていく姿がそのままカメラに収められてて、まじで奇跡的なドキュメンタリーだと思いました。こんなことになるなんて誰が予想した??という展開でしたね。

 

 

ロシアから完全にマークされ、いつ暗殺されてもおかしくない状況に陥る後半はとてつもない緊張感に包まれてましたね。完全にホラー映画でしょう。関わった元同僚2人は謎の死を遂げてるし、しかも最近あったじゃないでしかロシアの元スパイがイギリスで暗殺未遂にあったっていう事件。あれを見てるからさ、「プーチンはやりかねない(というかすでにやってる)」という説得力があって、、プーチンを敵にまわすということは、どういうことなのか…という現在の世界トップレベルの恐怖がまざまざと描かれてましたね…。しかもこれ現在進行形ですからね。

 

この映画を途中で方向転換させて、ロシアの圧力、プーチンの恐怖に負けずに立ち向かった製作者たち、そしてグリゴリーさんにはほんとに尊敬したし、この屈しない心に、なんだか熱いものが胸に込み上がってきました。本当の意味で「命を懸ける告発」というものを目撃してしまった感があって、こんな奇跡的なめぐりあわせで出来上がった映画、めったに観れるもんじゃないなと思いました。いやぁ、すごいものを観た。今後どうなるかわかりませんが、グリゴリーさんが殺されないように願うしかありません。

 

あとロシアがどうやってドーピング検査をかいくぐってきたか、特にソチ五輪での検査パスのための夜な夜なの計画は妙に感心しちゃったし、同時に逆にあきれました(笑) ルールを守って努力した人々が報われるスポーツ界であってほしいなぁと思いましたね。

 

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好き度: 80点

奇跡的な恐怖映画です。必見!

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