【恋愛映画を観よう その4】「世界一キライなあなたに」(2016年) | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 
 
 
そーす太郎の恋愛映画を観ようシリーズ その4
「世界一キライなあなたに」(2016年)
 
「あなたを、変えられたと思ってた。」
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監督: テア・シュアイックさん
脚本: ジョジョ・モイーズさん
出演: エミリア・クラークさん、サム・クラフリンさん、他
原題: Me Before You
上映時間: 110分
あらすじ: 車いすのイケメン富豪とドラゴンの母にして奴隷解放者デナーリス様が恋に落ちます。
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※ネタバレあり
 
 

いい恋愛映画を観ると時々やってくる本企画(リンク: その1その2その3)。
Amazonビデオを適当に徘徊してたら、いいラブストーリーと出会ったので少し感想を。「世界一キライなあなたに」という映画ですが、これが、
 
予想外に、なんだか忘れがたい映画になりました(つД`)ノ
 
エミリア・クラーク主演の「世界一キライなあなたに」という映画でございます。なんとなーくの情報を見て「ハイハイあれね、難病ものねƪ(˘⌣˘)ʃいけすかないイケメン富豪と庶民的な明るい美女が介護しつつ、いがみ合いながらも恋に落ちちゃうあれねƪ(˘⌣˘)ʃ」と思って舐めていたら、これがマジでびっくり。たしかにそういう要素もあるんだけど、映画後半、まったく思ってもない展開が来て、心底びっくり、最終的には「人生とは」というところまで連れてかれて、ただのラブストーリーでは終わらない素晴らしい映画でした。
 
例によって映画.comさんからあらすじを拝借するとこんな感じ。

英作家ジョジョ・モイーズが2012年に発表し、世界40カ国以上で翻訳されベストセラーとなった恋愛小説「ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日」を、「ゲーム・オブ・スローンズ」「ターミネーター:新起動 ジェニシス」のエミリア・クラーク&「あと1センチの恋」のサム・クラフリンの共演で映画化。性格は前向きなだが、夢にチャレンジすることに躊躇し、仕事を転々としながら、なんとなく毎日を過ごしているルー。彼女の働いていたカフェが閉店してしまい、職を失ったルーは半年限定で介護の仕事に就く。ルーが担当することになったのは、快活でスポーツ好きだったが、バイクの事故で車椅子生活を送ることとなった青年実業家のウィルだった。当初、ウィルはルーに冷たく当たるが、ルーの明るさがウィルの心を溶かし、やがて2人は互いに最愛の存在となっていく。監督は本作で長編映画デビューとなるイギリスの舞台演出家テア・シャロック。

とこんな感じ。
 
 
というわけで前半はまぁよくあるラブコメなんですよ。「最強のふたり」を美男美女にして恋愛させるとこうなりますみたいな。そんな中、この映画の前半パートが普通のラブコメと一線を画している要素、それが、エミリア・クラークの圧倒的チャーミングさだと思うんですよ。
 
か わ い す ぎ か よ !!
 
ってことなんですよ。とにかくこのキャラクターが僕めちゃくちゃ好きになりましてね。まずなんといってもファッションですね。
 
 
何着着るんだよ!というレベルで衣装をチェンジしまくるんですが、そのどれもが魅力的なんですよね。それは、おしゃれなの…?というところも含めて。とにかく色から何からもうとにかく画面が映えるんですよね。しかも衣装が最初から最後にかけてどう変化していくか?どこが変わってどこが変わらなかったか?も含めて、これ服で語る映画でもあったと思います。
 
エミリア・クラークと言えば我々にとってはゲームオブスローンズの「ドラゴンの母」ことデナーリスなわけでして、僕はエミリア・クラークをゲームオブスローンズでしか観てなかったので、ほんとにこっち方向のお茶らけたエミリア・クラークが見れてますます好きになりました(/ω\) 眉毛を中心としてころころと変わる表情がほんとに魅力的でね…。キャラクターの自分を抑えて家族を最優先に考える彼女の境遇とかもなんかグッときちゃったなぁ。その笑顔の裏では、我慢してるんだよなぁいろいろなんて、もうゾッコンですな(/ω\) こんなに可愛いエミリア・クラークなんだからそりゃあ心を閉ざしてたイケメンも心を開くに決まってます。間違いない。(必死)
 
 
そのイケメンのウィル君は、事故で首から下がマヒしてて、それまでイケイケだったウィル君はかなり心も病んでしまい、しかもやっぱり事故の影響で何度も何度も体調を崩し…ということがたびたび起きそれはそれはもう僕らには想像できないですよね。そして彼は6か月後に安楽死を望んでいて、法的に安楽死が認められている国で死のうとしてるんです…だからエミリア・クラークちゃんの雇用期間も6か月で…ということがチラつかされる前半部でもあったわけですが。そんなこんなで、いがみ合ってた2人の心がだんだん近づき、やがて恋に落ち、これ観客としてはこの映画のゴールは「生きる希望を失ってたウィルが、エミリア・クラークと恋に落ちて、愛のパワーでもういちど生きる希望を復活させ、2人はその後も幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし」って思うじゃないですか。
 
これ、情報なく観たんですごく驚いたんだけど、結局ウィルは彼女がほんとに大好きだし愛している、でも、でも、安楽死を選ぶんですよね。安楽死を告げたとき、「あなたを変えられたと思ってた…」とエミリア・クラークが泣くシーンがありますが、ほんとにね、彼女のことを思うとね…。でもこの映画、人を変えることはそんなにたやすいことじゃないとう現実を突き付けつつも、そのもう一歩向こう側の景色を見せてくれるようなとても真摯な映画だと思いました。「人生とな何か」というかさ、「生きたいように生きる」、「やりたいことをやる」、というのがこの映画を最初から最後まで一本の線として通っていたように、そして彼女が「着たい服を着て」いたように、彼も「生きたいように生きた」し、彼なりに彼女を「愛したいように愛した」結果がこれなんじゃないかな、、「あなたを変えられると思ってた」と言った彼女だったけど、一番変わったのは彼女自身だったし、、とかそんなすべてのことをひっくるめて思うのは、「おい、この邦題つけたやつ出てきやがれ…」ということなんですよw ほんとに観た後だとこの原題の「Me Before You」がめちゃくちゃ多層的な意味を持ってきますよね。誰がMeで誰がYouなのか…だれにとっての…とか、ほんとに見事な題名なんだけどなぁぁぁ。
 
てなわけで、「世界一キライなあなたに」、ただのラブコメだと思ってみてたら、「人生とはなにか」というところに連れて行かれる、ちょっと僕はこれ忘れがたい映画になりましたし、まだまだ最後の選択についてはいろいろと考えが頭を巡っているので、これはまたいつか観返すと思います。予想以上にとても心に残った映画になっちゃったぞ!
 
 
 
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好き度: 80点
忘れがたい映画になりました。
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