猿の惑星 聖戦記
ありがとう、シーザーさん
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監督: マット・リーヴスさん
脚本: マット・リーヴスさん、マーク・ボンバックさん
出演: アンディ・サーキスさん、ウッディ・ハレルソンさん、他
原題: War for the Planet of the Apes
上映時間: 140分
お話: 神話になります
好き度: ★★★★☆ 4.5/5.0点
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大好きなリブートシリーズである猿の惑星の最終章、「猿の惑星 聖戦記」を観てきました。前作はその年のベストテンにも入れたりするほど本当に大好きなシリーズですし、オリジナルのシリーズもとても大好きなので今回はとても楽しみにしておりました。
素晴らしかったです( ;∀;)ありがとう、シーザーさん。俺も頑張ってみるよ。という気持ちになりました。
あらすじを映画,comさんから拝借すると、、高度な知能を得た猿と人類が全面戦争に突入してから2年。猿たちを率いるシーザーは森の奥深くの砦に身を潜めていたが、ある晩、人間たちの奇襲を受けて妻と長男の命を奪われてしまう。敵の冷酷非道なリーダー、大佐への復讐を誓ったシーザーは仲間たちを新しい隠れ場所へ向かわせ、自らは3匹の仲間を連れて大佐を倒す旅に出る。道中で出会った口のきけない人間の少女ノバや動物園出身のチンパンジー、バッド・エイプも加わり、一行はついに大佐のいる人間たちの基地にたどり着くが―――という感じ。
映画を観てビックリ前半はモロに猿による西部劇でしたね。ものすごく硬派な渋いそしてキマリまくった撮影の数々にもうずっとウットリでした。
アンディ・サーキスの演技は過去最高のものというか、もうこの映画は役者の映画でした。モーションキャプチャーもここまできたか!と驚きの連続。そこにいるシーザーが、モーリスが、CGであるなんてことは信じられないというかもはやCGであることなんてどうでもいい、そこにいるのはシーザーそのものだ!と思わされるとてつもない説得力があって、もうこれは技術と演技の完璧なる融合の進化のたまものだと思いました。いやぁ凄まじい。
もろに西部劇的な前半はもうシーザーがイーストウッドにしか見えないし、雪山に入ってからは高倉健に見えました。
西部劇的な前半でしたが、後半は一転、モロに旧約聖書の出エジプト記あたりや新約聖書のキリストの磔刑あたりを思わせる描写の数々で一気に神話になっていくという展開に。クライマックスの決着の仕方やお話の結末などを観るとやはり旧約聖書がかなりベースとしてあるなぁと思いました。リドリー・スコットの「エクソダス」と二本立てで観ると面白いかもしれません。
ともかく、あんなに可愛くてジョン・リスゴーとじゃれていたシーザーが最終的に仲間を導くモーセになるなんて、シーザーを見守ってきた身からするともう感慨深いったらありゃしない。シーザーはほんとにねもういつ海が2つにパカン割れてもおかしくない迫力でした。
あとノヴァちゃんもとても良かった。可愛すぎかよ…と。檻に閉じ込められたシーザーにご飯を持っていくあの一連のシーンのこれもやはりどこか神話的雰囲気の漂う空気感とそこでのノヴァちゃんの笑顔一発にやられました。
何にグッときたって、本当にシーザーって理想のリーダーそのものだったんですよね。
個人的にちょっと今月あたりに人生が急展開しそうで、今の職場を離れて、実家に帰って実家がやっている会社で、また人生がスタートするタイミングでね。将来的には私もリーダー的立場になって人々を導く立場になることでしょう。だからなんというかすごく勇気と決意と闘魂をこのリブートシリーズではもらいました。仲間を守ることがいかに難しいかということを見せられつつ、でもボロボロになりながらも鉄の意思と絶対にぶれない利他の心で最終的に仲間を安息の地へと導くシーザーを観て、今後僕にもさまざまな困難が訪れること必須でしょうが、「でもおれも頑張ってみます、シーザーさん」と、シーザーさんに最敬礼な映画でした。シーザーこそ理想のリーダーであったし、そこにとてつもない説得力を持たせたアンディ・サーキスには脱帽。
今年のベスト・ガイ賞はシーザーに決まった、猿の惑星 聖戦記でした。