【映画感想】「サバイバルファミリー」 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 

 
 
 
 
※ネタバレあり
 
 
 
 
 
 
 
 
サバイバルファミリー
 
 
好き度: ★★★★☆ 4.0/5.0点
 
 
 
この時代に、僕たちはまだ、「列車の到着」で感動できる
 
 
 
矢口監督最新作、「サバイバルファミリー」を観てきたので軽く感想を投下いたします。矢口作品は基本的にどれも好きなんですけど、この「サバイバルファミリー」、矢口作品の中でもけっこうトップクラスに好きな映画になりました!!(・∀・)
 
予告は観てなくて、ポスターの情報と矢口監督最新作っていう情報しか持ってない状態で映画館に行ったのですが、いい意味で裏切られたというか、かなりまじめに電気がなくなったらどうなるかという、しっかりとしたサバイバルものになってましたし、ロードムービーとしてものすごく面白かったです。
 
 
まず驚いたのが、作品のトーン。矢口作品は基本的にアッパーでポップなお祭り感がどの映画にもあって、さらにそこに突如入ってくる毒っ気、というバランスがおもしろくて好きなのですが、そこを期待するとびっくりしちゃうくらいキチンと終末感というか、オワタ感というか、もっと言っちゃうと死のにおいみたいなものがかなーり濃厚に入り込んでて、予想外にそこが良かったです。ギャグシーンも基本オフビートで、劇中は自然音のみで劇盤はなし。矢口作品的な楽しさは抑えて、今までの矢口作品にしかしたしかにあった暗い暗い部分を純粋培養したような映画で、一見荒唐無稽だけど、まじめに作ってあってとてもよかったですね(・∀・)
 
 
最高の紀香さまの使い方!相変わらずイジワルだぜ監督!(笑)
 
 
 
この映画、まぁいろいろと素晴らしいシーンはいろいろあるんですが、個人的に最も感動して、まぁ観た人ならこの映画のベストシーンに挙げる人も多いと思いますが、一番感動したのは「列車の到着」シーンなのです!
 
 
 
列車の到着、といえばリュミエールですな。スコセッシの「ヒューゴの不思議な発明」でみんな勉強したよね!まぁ世界初の映画、なわけですが、最初にこれをスクリーンで観た人たちは心底驚き、そして同時にすごい発明だ!と感動したんでしょうな~。で、この「サバイバルファミリー」を観てね、なんというか、まだ俺たちはこの時代になっても「列車の到着」シーンで感動できるんだ!ということ自体に感動しましたね~。いろんな意味で真に映画的な感動でしたね。列車が走るだけで泣けるんだもん。もちろんそれまでの物語のタメや運びがうまいってのはもちろんですが。ギリギリまでいろんなものを削られ必要最低限の状態で旅に出ざるを得なかったあの家族たちの前に現れた列車と、そして今の映画界というかなんというかねCGでなんでも作れて足し算足し算の映画だらけのなか、「列車の到着」シーンで鳥肌立つほど感動させられるという、その二重の感動というかね、めちゃくちゃな文章ですんませんね。まぁそんなこんなで感動したわけであります。
 
 
わ~いい映画だったなぁ~なんつってレイトショーが終わって映画館を出ると、まだまだ明るいショッピングモール。ケータイの電源を付けてメールをチェックして、車で家に着くと、つけっぱなしの電気とエアコン。そしてそのままパソコン付けていまブログを書いている僕であります。。ダメだなぁ…。
 
あと、葵わかなちゃん演じる娘がめちゃくちゃよかったですわ。「乙女新党」というアイドルグループにいたときから知ってますが、めちゃくちゃ成長しててビックリしましたし、彼女がほんとに魅力的でね~。素晴らしかったですよ。特に、途中、岡山でごはんを食べるシーンでね、豚の燻製ですかね、むしゃむしゃ食いながら泣くシーンがあってね。あそこはほんとに素晴らしかったな~。絶妙にムカつくかんじも最高でした。
 
 
というわけでめちゃくちゃな文章になりましたが、サバイバルファミリー、おもしろかったよ!!