「おとぎ話みたい」「サウダーヂ」「狂い咲きサンダーロード」を観た。 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。




テアトル新宿で行われた、「観ずに死ねるか!傑作シネマ邦画編」の上映会に行ってまいりました。観たい映画がいろいろあったんですが選びに選んで3本に絞って行ってきましたよ~!映画本編の他にもトークショーが1時間近くあったり毎回サイン会もあったり素晴らしいイベントだったので来年もまたやってほしいですなぁ(´∀`)


この本も永久保存版ですぞ
観ずに死ねるか ! 傑作青春シネマ邦画編/鉄人社
¥2,000
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1本目

「おとぎ話みたい」
6月3日(火) 20:00~ テアトル新宿




好き度: ★★★★☆ /5点


山戸ワールド炸裂


「5つ数えれば君の夢」が素晴らしかった山戸結希監督の前作、「おとぎ話みたい」大評判は聞いていましたが、念願の初鑑賞。素晴らしかったです。(僕の「5つ数えれば君の夢」の感想はコチラ) 「5つ数えれば君の夢」が初めての山戸監督作だったんですが、これを見るとやっぱほんと唯一無二の作家性だなぁと思いました。文学的な映画で、非常に詩的なセリフと光の使い方のうまさはやっぱり特出していました。この主人公は水谷豊さんと伊藤蘭さんの娘さんの趣里さん。この子のたたずまいがほんとうに素晴らしくって、「5つ数えれば君の夢」の主人公5人の要素をすべて詰め込んだような、喜怒哀楽と大人になりたい少女のエロスみたいなものまであって。素晴らしい女優さんだと思いました。トークショーも最高で山戸監督はとてもかわいらしい方でした(´∀`) とてもフワフワしていて、この詩的な世界観がここから出てくるのかぁと納得。ほんとに世界観というか山戸ワールドとしか言えない映画の空気感で、気持ちいい違和感があるんですよ。「映画はそもそも不自然なものだ」と大林監督ばりに山戸監督がトークショーでおっしゃってました。これから何本新作がとられるのかわかりませんが、ずっと追いかけたい監督です。この山戸ワールドのままどんな映画をとっていくのか、フワフワとした映画ですがすっげぇトガッてる、このトゲトゲを丸くしないままどんどん映画を撮ってほしいです。僕はこの作家性が大好きです。





2本目

「サウダーヂ」
6月4日(水) 19:30~ テアトル新宿




好き度: ★★★★☆ /5点


やっと観れたぞ「サウダーヂ」


公開年に宇多丸さんが年間ベスト映画に選出したということで気になってまし、大評判も各所から聞いていたのでほんと観たかったんだけど、ソフト化されてないので、リバイバルを待ってたんですが、これもなかなか観れずに、やっとここで観ることができましたが、ものすごくグッときた映画でした。田舎の閉塞感、ドン詰まり感がすっげぇリアルだし、登場人物たちみんなの気持ちがわかるし、みんなに会ったことがあるんですよ。僕もド田舎出身で、そこから抜け出したい!という気持ち一心で東京の大学に決めたので、もう痛いほどわかるんですよ!!登場人物全員が他人事とは思えませんでした。だから、すっげぇツラかったwほんとこの機会に見れて良かったです。「わがままジュリエット」最高!最強の名シーンだなあそこは。





3本目

「狂い咲きサンダーロード」
6月5日(木) 20:00~ テアトル新宿




好き度: ★★★★★ /5点


素晴らしかった


日本映画のカルト中のカルト映画として有名な「狂い咲きサンダーロード」この企画で初めて観ることができました。スクリーンで狂い咲き童貞を捧げられてとても光栄だし、ものすごく幸福です。とにかく圧倒されたし、インディペンデント、しかも日芸の卒業制作だなんてまったく思えないものすごいパワーがつまった奇跡のような映画でした。映画終了後、監督と高橋ヨシキさんのトークショーでヨシキさんがしょっぱなに僕ら観客に言った言葉が「もうこの映画を見た直後のみなさんにどうこういうことは無い!」という。ほんとその通りで(トークショーももちろん最高だったが)とにかくなんなんだこの圧倒的な映画のパワーは。トークショーでも監督がおっしゃってましたが、ほんとに全財産と生活をすべて捧げた数々の伝説エピソードなどもあってwやっぱそういう熱ってスクリーンに映るもんなんだなぁとほんと思いましたね。そして、やっぱり仁さんですよね。あのカリスマ性、超人感、すさまじいものがありますな。もう今の時代、こんなアナーキーな映画とれないんだろうなぁ。この時代にこの映画に出会っちゃうというこの事故。素晴らしい事故でした。ありがとうテアトル新宿!!





おわり