非常に評判が高かったこの2作品ですが、観れてなかったのです。。が、早稲田松竹でやるということで、行ってまいりました~。早稲田松竹はほんとキレイよね。しかも次週はセデックバレやるらしいから、これももう一回観に行きたいな~。
観てるだけで気持ちいい、フェティッシュの塊。
1本目は「パリ猫ディノの夜」。これがすごい愛おしい作品になりました。絵ヅラとかキャラデザインとかは決してめちゃくちゃ「リアル」な感じではないんですが、この映画の描写全てがアニメーションでしかなしえない表現が随所に散りばめられていて、観ててほんとに気持ちいいんですよね~。不思議なリアリティーラインで統一されているんですよね~。キャラクターが動くだけで気持ちいというか。画面全体がフェティッシュの塊みたいな映画でした。アニメでしか成し得ない、「香水の表現」とか「暗闇での表現」とかもう超楽しいの!
父親が殺されて失語症になってしまった少女と、シングルマザーでがんばる刑事のママ、やさしい泥棒さん(クラリス風)、超悪いギャングとその仲間たち。話もちょっとヘビーだし、そもそもひとつの作品に共存し得ないように思うんですが、この画調からなのかな?不思議と絶妙なバランスでマッチしちゃうんですよね~。
子供にこそ観て欲しいすっげぇ楽しい映画だし、アニメーションとならではの気持ちいい表現が満載で、すごく満足できましたよ!
今年最もグッときたアニメーション映画。大傑作!
2作目は「しわ」。これが、ハンパなく傑作でしたヽ(;▽;)ノ今年のアニメーションではいちばんよかったかもしれないです。まず見る前はほのぼの老人ものなのかな~ぐらいに思ってましたが、かなりヘビーなアルツハイマーものというか老人介護ものという感じでした。今まで、こういう実写映画ってけっこうあったじゃないですか、お涙頂戴系の?でも、僕個人的にはここまで「老いる」ということをリアルに切実に描き出したのはこの映画が初めてでした。しかも主観視点であるというのが大きいと思います。
自分が老いてきている(ボケてきている)ことを認めたくないし、理解できない。でも、ふっとしたときに「あれ?俺、アルツハイマーかも知れない。」と気づく瞬間のリアルさ。残酷さ。でも、世の中にあふれていることだし、、、という不条理さというか。。本当にリアルで、正直やっぱり自分の老後のことを考えるとすごく怖くなりました。
夫の為に献身する妻、その2人だけの「時間が」、「たったひとことの言葉」で思い出が蘇り夫笑顔が浮かぶあの場面。まさにアニメーションでしか成し得ないマジックが起きていて号泣ですし、人間の「言葉の力」の凄みをすごく感じました。ほんとにたったひとことの言葉で、あの時の素敵な思い出に一瞬でも戻ることができて、そして笑顔が浮かぶという、人間すげぇじゃん!って思いましてあの場面はすげぇ泣いちゃいましたヽ(;▽;)ノ
また、主人公エミリオから終盤ミゲルに主人公が入れ替わってから。エミリオのベッドの下から出てくる「あれ」。そこでのミゲルの涙とかさぁ、文句ばっかり言ってた日常だったけど実は自然に友情が生まれてたんだ!というあそこも泣いちゃったよヽ(;▽;)ノ
そこからのミゲルの贖罪的な行動もすごくいいし、死ぬことをやめエミリオを助けようと決意したミゲル、そしてアルツハイマーがかなり進行した状態でも、たわいもないたった一言で笑顔になるエミリオ。 一見超ヘビーな内容だし、てか実際ヘビーだし。でも、これは僕らの世界にごく普通にある事実というか、けっこうあたりまえの事実じゃないですか。でも、それでも、今までのたわいもない記憶や思い出の核の部分だけは心のどこかに最後まで残っ……てて欲しいよ!きっと残るよヽ(;▽;)ノというギリ希望のあるラストだと思いましたよ。
とにかくこの映画個人的に、『人の言葉のチカラ』の可能性というか凄さをすごく感じることができましたし、すごく感動しました。
これは、ほんとうに観て良かったです!
DVD出てるので是非観てみてはいかがでしょうか。
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