『R100』を観た。 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。





ネタバレあります。





ど こ で 楽 し め ば い い の ?

『R100』、時間が空いたので土曜日に行ってきました。土曜日のお昼に有楽町の丸の内ルーブルで見たのですがお客さん僕含めて10人いなかったです。大丈夫なのでしょうか……。 まぁそんなこんなで観て来ましたが感想としては、超つまらなかったです。今年ワーストである『ガッチャマン』を超える映画が出てくるとは思いませんでしたよヽ(`Д´)ノツマンネーヨ!! 今思えばガッチャマン頑張ってたよ!(遅すぎる擁護w)

この映画、どこで楽しめばいいの?

ネタバレを雑に書くと、この大森南朋主演の「R100」が映画内の映画になっていて、100歳の大物老人監督が最後に作りたいと作った映画がR100。それを関係者が試写室で観ているという場面が途中途中で挟み込まれます。で、その映画内映画を、試写を観に来た出資者やプロデューサーなどがその「R100」のむちゃくちゃで、お話になってない様子にツッコミを入れるんですよね。メタ的なツッコミを入れるのです。

そこのメタ的なツッコミ場面が、松本人志氏の「ひとつの物語を語りきる」ことに対する言い訳にしか見えなくてすごく不愉快というか、すごく痛々しいんですよね。これもう1本の映画を作ることから逃げてるじゃんってどうしても思っちゃうんです。松本さんはなんで映画を撮ってるの?というかそもそも映画を撮りたいのか?と思ってしまう、というか思わざるを得なかったのです。

しかも割と中盤で「これは映画内映画ですよ~」っていうのを観客は知って、しかも先に突っ込まれちゃうからそこからのトンデモ展開にまったく乗れないんですよ。言い訳を先にしちゃってるから。そこには『地獄でなぜ悪い』のファックボンバーズにあった切実さや熱が全く見えないんだもん。 言ってしまえば、この映画どこで楽しめばいいの?ってことになるのです。

SとMとは、という問題にも薄っぺらい解釈しかしていない、というかSMは最後の方関係ない上にラストも理解できないし「お前らには理解できないんだよ~」って映画の中で言っちゃってるし、それ言っちゃダメだろ!とか突っ込ものもなんかあれだし。

そもそも「お前らには理解できないから!」って言ってるってことは、このテーマについて少なくとも作り手は理解してるってことでいいんだよね?そうじゃなきゃおかしいですよね。ほんとに理解して咀嚼して作ってんの?そうは思えないよ。。やっつけでしょっで思っちゃうよこれじゃ。

おもしろくなりそうな設定ではあるとおもうんですが。。

 

 


だって嬢王様たち、このキャラクター陣ですよ。おもしろくなりそうなのに!まったくならない。エロサービスもない。キャラクター別のプレイの多様性を楽しませてくれるわけでもない。そもそも、寿司潰すとかそういうのなのかとか。 SMとはなんなのかの掘り下げや結論もうやむや。渡辺直美のところとか笑わせたいの?松本さん!スベってるよ!コメディとしても一瞬も笑える場面はなかったです。

あと、とにかく言いたいのは、とんでも展開のバカ映画をやりたいのなら、やりきれよ!言い訳するなよ!っと言いたい。 これを観ると松本さん、いわゆるB級映画(この言い方はほんとに嫌いだけど)やジャンル映画を馬鹿にしてるんでしょ。だから、言い訳という保険を入れないと撮りきれないんでしょ。グラインドハウスみて心底感動するようなことお前はないんだろ!



SとMとは。それぞれが行き着く先とは。という掘り下げというか本質の追求という意味では石井隆監督の『甘い鞭』を勧めます。そもそも大好きな石井隆と『R100』を比べるのは恐れ多いですし申し訳ないですが(作風もちがうし)、一応どっちもSMが題材ということで。一度モノホンを観てみてはいかがでしょうか!
SM映画は同じ石井隆監督の『花と蛇』なんかもありましたがそっちは正直全く乗れなかったのですが。『甘い鞭』はちゃんと主人公の行動原理の行き着く先にしっかりと説得力があるし。行き着く先・結論がほんとうに悲しいし切ない。
SM場面もこの甘い鞭を観るとやはりR100はお子様ランチなので!(ほんと石井監督と比べるのは申し訳ないのですが。。ともう一度念を押して言っておきます。テイストもちがうし。)
 

 

 



というわけで、『甘い鞭』がオススメです!!




おわり。