アメリカ陸軍にて1977年より開発が始められた対空戦車。
ソ連製ZSU-23シルカ対空戦車が優秀な性能で第三次中東戦争にてイスラエル空軍機を次から次に撃墜したことに危機感を感じ、ZSU-23以上の性能を誇る対空戦車の開発に迫られた。
そこで、1980年に試作されたフォード社案を元に、旧式化したM48A5戦車を改造してボフォース40mm機関砲を自動化する方向で開発を進めた。
ところが、搭載したF-16戦闘機の管制装置が地上からの攻撃にマッチせず、調整に手間取り、正式に採用され生産が始まった1983年になってもなお解決せず、当初よりコストが増える一方で、ここで「アメリカは絶対制空権獲得を行う為の戦闘機が必要多数あるのに、こんな高価な車両作っても意味がない」とされ、1985年に生産はキャンセル、完成した50両は殆どが空軍の訓練の標的という悲しい最後を遂げた。
丁度、同時期に開発され、完成したスティンガー・ミサイルがアフガニスタンで優秀な成績を誇ったのもその理由である。歩兵や軽車両に搭載できる対空ミサイルがあるのに、わざわざこんな大きな車両を運用する必要は無いのである。
 
現在も数両が現存し、米本土の基地や博物館に展示されている。
★キットは1983年の量産開始時に販売されたもの。当時のタミヤの自信作だったが、こういった経緯もあり不人気キットで、説明書は生産中止前の説明なので将来に期待する旨が書かれており、虚しさを感じる。
しかも、極初期型なので、車両後部のエンジン防弾板が再現されていない、排気口形状が異なるなど、現存車両との差異が見られる。
韓国・アカデミーはタミヤのAFVキットをコピーし、改良して発売する事で有名だが、このキットもコピー販売されているにも関わらず、そういった欠点もそのままコピーしてしまっており、組み易さから考えてもタミヤ製の方が断然良い。
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