ベルトーネ・デザインのこの車は、まさにグラベルのスーパーカーで、関係者はド肝を抜かした。
当初はショーモデルで、市販はされないだろうと予測されていたが、1974年にグループ4承認獲得の為に、殆どショーモデルそのまま発売され世間を驚かせた。
大体ラリーカーというものは市販車を改造したもので殆ど大衆車がベースだったが、全くのラリー専用車ということもあり、まさに敵なしで、1974~76年のWRCの総合タイトルを総なめにした。
その他ターボを搭載し、ツーリングカー選手権・グループ5でも活躍した。
1978年、ランチアはラリーから一旦撤退し、1969年に提携したフィアットと共同でグループBに参戦、ランチア037ラリーを開発する。
ストラトスは、グループ4の規定どおり、400台市販車を生産したことになっているが、実は部品のみで、生産自体は手作りに近い車体と構造ゆえに遅々として進まず、規定どおりの400台の生産に達したのは、ラリーから撤退した2年も先の話であったという。
現在、ストラトスはプレミアが付いており、おいそれとは購入は出来ない。
しかし、90年代にフェラーリのエンジンを搭載(注文によっては希望のエンジンも可能)した忠実なレプリカが販売され、大体600万前後で購入可能である。