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80年代後半、冷戦末期の中、イタレリからF-19ステルスというキットが発売された。

この飛行機は米国防総省がF-15戦闘機に継ぐ次期主力戦闘機として発表した想像図を元に作られたとされ、キット自体の出来も納得するほど良く出来ており、足回りやコクピットなどもF-16やF-18に似ており「こういう飛行機がある」言われれば、そう思ってしまうだろう。

私も実は中学の頃、このキットそのものを作った。非常に好キットでモールドもイタレリに似合わず美しかった。

ところが・・・・この出来の良さ、説得力満点のディテールのせいか、このキットのせいで問題が発生した。

後の米国防総省の発表は、「こういったプラモデルが出ているが、こういった飛行機は開発してないし、発表した覚えもない」と発表し、発売元イタレリに注意を施した。

ところが、この話が野党で「実は米国の軍事機密が漏洩してるのを人のせいにして自分のミスを握り潰す
つもりなのでは」と論議になり、大騒ぎになってしまったのだ。

その後、このキットは旧ソ連の情報機関KGBも購入し、分析されたというウソかホントか分からない話もあるが、多分本当かも知れない。少しでも敵の情報に関わるものを分析するのも情報機関の仕事である。

その他F-19をモチーフとしたオモチャも米国や中国なので多数販売された形跡もある。

因みにイタレリは、70年代のハセガワ同様、試作機や空想の段階で発売するキットが相次ぎ、一時期モデラーから敬遠されたこともあった。

その中には旧ソ連のミグ-37ステルス戦闘機もあるが、こちらも実際には存在しないそうだ。
しかし、こういったモデルも作って並べても面白いと思う。

後に大分たって落ち着いてから、このF-19は実際に存在しない事が判明し、このキットもやがて
「デタラメキット」と言われ忘れ去られていった。

今現在、20年程時が経ち、「F-22ラプター」というF-19に似た考えの飛行機が飛んでいる。

この疑惑のF-19のキットはイタレリで1/48、1/72、ドイツレベルで1/144、日本のアリイ製で1/48が確認されている。
モノグラム製も確認。しかし、メーカーによって解釈が違うのが面白く、モノグラム製のは実際に発表された絵を忠実に再現し、他メーカー製とは殆ど似ていない。アリイ製は、マーキングも形も若干想像の世界を脱し切れていない。

今は人気が大変低く、「不良在庫」として激安販売されてるのが主なので、面白半分に購入してみてはいかがだろうか。