2024年6月25日(火)、脳腫瘍 摘出手術に向けて脳神経外科病棟へ再入院することになったケー君。

 

この頃のケー君は、脳腫瘍の影響で ・・・

  • 目は自由に動かせない(左瞼は閉じたまま)
  • 1日ほとんど寝ている

そんな状態になっていました。

 

そのせいもあると思うけど「脳を開いて腫瘍を取り除く」という、これから自分の身に起こる、常軌を逸するような手術を前に緊張して、表情は硬く笑顔はありませんでした。

 

 

 脳神経外科病棟 入院生活

ピースはしてるけど笑顔は無い

 

脳神経外科病棟は小児科病棟と違って、子供でも親は付き添いが出来ず、脳神経外科病棟に入院中は独りで病室で過ごすケー君。

 

しかも看護師さんも、ほとんど病室に様子を見に来てくれることはなく、かなり不安な入院生活を送ることになったと思います。

 

ただ後々、脳神経外科病棟での入院の話しをケー君に聞いてみると・・・

 

ケー君

じつは脳神経外科での入院の記憶がほとんどないのよ。

 

特に手術当日の記憶は、全く無いようで朝会話したことも覚えていませんでした。

 

 松果体部 脳腫瘍摘出手術 当日

なぜ記憶が無いのか・・・

 

「脳を手術したから?」

「恐怖のあまり記憶が飛んでい待ったのか?」

 

なぜかは不明ですが、手術当日の家族全員で写真を撮って、声をかけながら手術室まで見送ったことも全く覚えていません。

 

この時は記憶が無いらしい・・・

 

そんなケー君の状態を知らずに、車椅子にケー君を乗せて、病棟から手術室まで移動する途中・・・

  • 窓から見える晴れた外の景色
  • 元気よく院内を走り回る子供
  • 談笑している人達

普段は何気ない景色なのに、今日は目に見える全てが腹立たしい・・・プンプン

 
これからケー君の大手術を前に、一番シッカリしないといけない父親が気を取り乱していました。

 

松果体部 脳腫瘍摘出手術  開始

さてケー君の手術ですが、全体で10時間に及ぶスケジュールと聞かされています。

  • 10時:手術室入室
  • 11時:機械出し・麻酔処置
  • 12時:執刀開始
  • 18時:手術終了
  • 19時:術後処置修了
  • 20時:ICUで経過観察

当然ですが、手術中家族は“祈る”以外のことはナニも出来ません。

 

とは言えケー君が大手術を受けているのに、平静に普段の生活を送ることも出来ず、ただ院内をフラフラしながら時間が過ぎるのを待っていました。

 

 手術終了

 

ケー君の手術は20時頃終わる予定ですが、ドラマの様に“手術室から出てきた執刀医”に手術結果を聞けるわけではありません。

 

看護師さんに呼び出されるまで、ただひたすら待ち続けます。

 

待っている間・・・

 

「手術が上手くいったのかな?」

「なにか問題が起こったのかな?」

 

不安に押しつぶされそうになりながら、手術終了の予定時刻から待つこと1時間経った21時頃になってようやく執刀医から呼び出されました。

 

消灯時間で真っ暗な病院は、いやな予感しかありません。

  冷酷な宣言

さて以前 “謎多き医師の世界” について記事を書いたことがありますが、個人的に医師って “診療科ごとに性格がある” と思っています。

 

今回お世話になった “脳神経外科医” は、個人的に・・・

  • クールで超現実主義者
  • 絶対の自信を持つ職人集団

あくまで個人的なイメージです。脳神経外科医 全員がそうとは言いませんし、命を預かる医師であれば、少なくとも同じ性格を持っていると思います。

 

でも “脳神経外科” は、特にその傾向が強い人たちと入院中感じていました。

 

 

そんな脳神経外科の先生からの “手術結果報告” は以下の通りです。

 

実的で冷静な手術報告

執刀医

原発部分の腫瘍は、見る限りは取り除きました。ただ見えない細胞レベルの腫瘍が残っている可能性もあるので、完璧とはいえません。

それと後頭葉と脳幹の部分に播種がみられましたが、後遺症のリスクを考え手を付けませんでした。

 

つまり、あとは抗がん剤と放射線治療ですか?

 

執刀医

はい。ただ胚細胞腫瘍の場合、抗がん剤や放射が効かないケースもあります。抗がん剤や放射線治療で一時的に落ち着くと思いますが、また増悪します。

覚悟しておいた方がイイということですか?

 

執刀医

はい。頭のどこかでは覚悟しておいてください。

 

 

親にとってショッキング内容、妻は横で声を抑えて号泣している・・・

 

そんな中、顔色も変えず泣いている患者家族を気遣う言葉も無く、ただ淡々と現状を伝える強メンタルな脳神経外科医に終始圧倒されてしまいました。

 

執刀医からの説明が終わり、二人でフラフラしながらケー君の待つICUへ暗い院内を歩いていると、妻がショックで通路で座り込んでしまい号泣。

 

妻が落ち着くまで一緒に座って、背中をさすっていると・・・

 

「コツッコツッ」と靴の音を鳴らし、先程説明してくれた脳神経外科の先生が頭をペコッと下げて横切って行かれました。(それが今でも印象に残っている先生の姿)

 

    

脳神経外科の先生への不満みたいになってしまいましたが(;^ω^)、 決して不満はなく、難しい手術を無事に完遂してくれた先生には感謝していて、その後も時々お会いして楽しくお話ししています。

何十何百と患者さんがいるなかで、一人の患者さんに思いを入れているとキリがありませんよね。

日々命と向き合っているお医者さん達には尊敬の念しかありません。

 

 終わったわけじゃない闘病生活

手術翌日、笑顔が見れた!

 

改めて1年前の事を思い返しながら書いていますが、去年の今頃(現在もそうですが)常に不安と不満が入り混じった感情の毎日でした。

 

腫瘍は完全に取り除けなかったものの、まだ“治療方法”があることは有難いことです。

“小児がん”はじめ癌治療の恐ろしいのは、治療方法が無くなる事です。

 

抗がん剤を使った後に再発すると、腫瘍が耐性を持っていることになり、使用していた抗がん剤は使えなくなります。

つまり効果のある薬が減っていくのが癌治療の恐ろしいところ。

 

でもケー君の場合は、治療方法がある!効果が期待できる薬がある!まだ闘病生活が終わったわけじゃない!

 

治癒を目指してこれからもケー君を支え続けます!!