客観性 | たらればの世界

客観性

筆をおろして、色を混ぜているうちに、ふと、椅子から立ち上がって3歩、さがってキャンパスを眺める。前髪についた絵の具をいじりながら、小さくなったキャンバスを眺めて、ふと、今度は上下逆さまにして立てかけてみる。――客観性。定位置に戻ってみる。再び眺めた絵は、おなじ絵でありながら、別の絵として浮かび上がる。傾いた影の調和。解き放たれた重力の矛盾。幾何学と遠近法でまみれたこの画布を、活字によって再現してみたら、これ以上のない客観性が産まれるだろう、などと考え、飽くまで自分の内からでしか生み出せない絵画を、客観性の伴う芸術へと昇華させる糸口をみつけたような気がした。キャンパスを回し、なん度も、なん度も、おなじ場所から眺める。


そうえいば、電車の中でいちゃついてるカップル。バカップル。あんたたちの一言一句、すべて活字におこしてネットにアップしてやろうかー!