鈴虫
はやい朝に滲んだ汗。重い脚。少しうなされていたか、辺りはまだ刺激の少ない薄明かりで、一息、安心する。
窓から、目覚めたばかりの風、その隙間から鈴虫。瞼は閉じた儘、まだこの儘、うつぶせに、顔を枕に埋め、羽の擦れる疎らな音に耳を澄ます。
色褪せたまどろみ。身体はまだ目覚めず、活力が伴わない儘、指を動かすのも儘ならない。汗は乾くも、気だるい。機械仕掛けの身体に、まどろみから不安を覚える。
少しだけ腕を伸ばせば、隣に、あなた。まだ深く、ゆっくり、呼吸をして。分厚い手。こっそり、指を繋ぐ。
まぁ、昨晩のあなたの変態プレイでこんなに疲れてる訳だけど。