みなさま、明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

 

実家でのんびりとしていますと、テレビで『人生フルーツ』をやっておりまして。

東海テレビのドキュメンタリー映画で、私は家の近所の映画館に観に行ったのですが、

深い感銘を受けた作品です。

 

津端修一という建築家のご夫妻の日常を撮った作品です。

この方は丹下健三の下で建築を学び、アントニン・レーモンドの事務所で研鑽を積み、

阿佐ヶ谷団地や高蔵寺ニュータウンの設計に携わった方です。

 

この夫妻の映っているのを観ていると、

なんて美しい生き方かと思います。

能の『高砂』の翁と媼を見ているような気がしてきます。

 

夫妻の生活には、いつも風通しのよさがあるように思います。

昨年、この映画を観た後にことにそう思ったことでもありますが、

「風通しよく生きる」ということが恐らくとても大切になるのだと思います。

 

それは自分のしたいことを時間をかけてきちんとする、ということなのだろうと思います。

好き勝手に生きる、ということですが、

その「勝手」のなかに自分の生き方を一本貫く思想をともなわなければならない。

 

建築が生きる場所であるということをこれほど体現した建築家がどれだけいるだろうか、

それは芸術であれそうなのだと思います。

 

風通しよく生きたい、と思う一年の初めなのでした。