みなさま、明けましておめでとうございます。
昨年は、ぐだぐだかつ毒舌にお付き合いいただきありがとうございました。
三つ子の魂百まで、たぶん今年も代わり映えはいたしませんが、
何卒、ご愛顧のほどよろしくお願いいたします。


さて、一年はじめの運動は、
名古屋ボストン美術館の北斎展でした。
デパートでの初売りに時間を掛けすぎました。
一時間では無理かな、と思いつつ、入場券を買って入ったものの、
失敗しました、時間オーヴァーでした。

刷もよければ状態もよい、
いや、知ってはいたのですが、思いのほかでした。
やっぱり何がいいといって、富嶽三十六景です。
ベタですけど、いいんですからしょうがない。
何がすごいといって、木版の職人芸です。
いったいどういう技術があったのだ、とただただ感嘆します。
きっと、当時の購入者も、眼を皿にして見入ったことと思います。
そのうちに、自分がその絵の中に入り込むような感覚が生まれてきます。

それから、色を塗らず、ただ紙に凹凸をつけるだけの刷り方があることに驚きました。
しかも、その色として見えない凹凸に、桔梗の雌蕊が五つに別れているところまでを
再現しているのですから、その職人芸の細かさというか観察眼の緻密さに、
思わず嘆息を漏らさずにいられません。

以前、高橋誠一郎コレクションを観たときに、
版木の鑿の跡まで残る鋭さ、生々しさに、
職人の気迫を観た気がしましたが、
今回もまたそれに劣らず堪能をして、
「閉館時間を過ぎましたので、ご協力をお願いいたします」と警備員が言うまで粘った次第。
帰京するまでにもう一度見るかどうか、悩みどころです。

こんな感じでぐだぐだの年明けを迎えました。
どうなることやら。