父に話があると言われると、お金の事か祖母の施設…それもやはりお金ですね。
絶対そうだと思っていました。
おもちに会ってくれるのは嬉しいですが、断るのは憂鬱だと思いながら父を待ちました。
父「遅くってごめんね。」
私「まだ起きてるから大丈夫。」
父「今日は飲んだ。」
私「そのお金あるならまず返してよ。」
父「大切な飲み会で。そんなに困ってるのか?」
私「困ってはないけど、お金の貸し借りって気持ち悪いじゃない。お父さんとはあまりしたくない。」
父「そうだな、ごめんな。」
私「お布団敷いてるし、パジャマと歯ブラシのセットは枕に置いてある。お風呂入るなら入ってね。飲み物は冷蔵庫から勝手に飲んで、一応枕元にお水置いてるよ。」
父「なんだ、もう寝るのか?」
私「寝るよ。」
父「一杯だけ飲まないか?」
私「珍しい。いいけど、おもち夜起きるから1杯だけね。」
父「ありがとう。」
久しぶりに父とビールで乾杯しました。
父「無理してないか?頑張らなくていいんだぞ。ななこは頑張り屋さんだからな。」
私「何?やめてよ。」
父の言葉にグッときてしまいました。
父「食べてないだろう?ななこはすぐ分かる。」
私「食べてるよ。カロリー高いものも気にせず食べてる。」
父「もっと食べなさい。子供の世話ひとりでしてるんだろ。」
私「大丈夫。心配しないで。」
彼「心配になるぞ、そんなんじゃ。」
私「大丈夫だって、今までだってなんとかやってきたんだから。あの人との日々に比べればなんて事ないよ。ふふ」
父「笑わなくていい、ななこの辛い笑顔は人を悲しくさせる。」
私「でも悲しい顔してたらだめでしょ。」
父「りょうくんが出て行ったんだ。こんな時に悲しまなかったら、いつ悲しむんだ。」
私「私ひとりならそれでもいいんだけど、おもちいるから。」
父「大変だよな。」
私「私に問題があるのかな…あるんだよね、きっと。だって好きで結婚した人が2人も離れていったんだよ。」
父「お父さんからしたら良い娘なんだけどなぁ。」
父の悲しそうな顔が余計に私を悲しくさせました。
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