大学病院に運ばれる為に又タンカーに乗る。
救急隊員の方の声だと思う。




(だめだったって。◯◯病院に。。)
(赤ちゃんだめでした。流産です!)




きっと私には聞いてないと思っているのだろう。




救急隊員「着きましたよ。」




それから手術室に運ばれ、またエコー そして内診をする。




先生「破水しています。割れた位置が悪くて羊水はほとんど残っていない状態です。ここで選択肢は2つあります。」




私「選択肢があるんですか?赤ちゃん死ななくていいんですか?」




先生「とても難しい状態です。でも赤ちゃんはまだ生きています。リスクはありますが死産以外の道もあります。詳しくはご家族を呼んで病室でお話します。ご家族は?」




私「主人が私の両親に連絡してくれていると思います。主人も早朝便で来ると思います。」




その時午前2時を過ぎていた。




先生「皆さんが集まった時、お話をしましょう。それまで感染リスクを下げるため点滴を打ちます。熱など出ない様にコントロールしておきましょう。」




私「ありがとうございます。ありがとうございます。」




先生「。。。」




赤ちゃん大丈夫かもしれない。
選択肢があるんだ。きっと大丈夫。




朝9時半頃 皆が揃う。




先生「おはようございます。」




先生はとても落ち着いた声で説明を始めた。




先生「今赤ちゃんはとても危険な状態です。羊水がなく感染症のリスクが高いです。そして羊水がないので体の関節を上手く伸ばせない状態です。これは産まれた時肘 膝が固まって出てきて障害が残る場合が多いです。そして感染症を防ぎながらぎりぎりの大きさになるまで待ち無事に出産が出来たとしても90%の確率で何かしらの障害が残ります。また産まれて1年以内に80%以上の確率で亡くなります。心臓だったり疾患を抱えて産まれてくる事が多い為です。そのリスクを踏まえ出産するならこちらは全力でサポートします。もしくは残念ですが死産で出産するかです。」




誰も何も言えなかった。




先生「諦める事が悪いことではありません。そういう選択をする方も半分くらいいます。」




私達がとても暗い顔をしてたからだろう。
先生は慰める様に言った。




主人「いつまでに決めればいいですか?」




先生「今日中に決めて下さい。」




主人「家族だけで少し話させて下さい。」