毎年夏には鳥取県の山合に避暑に行っています。
(なんて言うと別荘でもあるのかと誤解されそうだけど)
とにかく大阪の夏は地獄の釜茹でにも匹敵する過酷な猛暑
今年も8月下旬まで滞在した後、大阪に戻る途中でちょっと寄り道をしました。
ここは広島県竹原市の忠海(ただのうみ)
瀬戸内の島々を結ぶ船が出航する小さな港です

小さな港には不似合いな大型のフェリーも就航しています
これは終点の大三島という大きな島まで行くため。
観光バスも乗れる立派な船体、乗船料310円でほんとにいいんですか?
約15分の船旅(短!) 台風接近のためお天気も微妙に曇
それでもデッキで身体いっぱいに受ける潮風はとってもいい気持ち
大小さまざまな島が現れる中、私たちが向かうのは右側の赤いゲートです。
一周3.3kmの小さな小さな島、大久野島(おおくのしま)に着きました。
大久野島の案内板。
島全体が休暇村になっていて、温泉・ホテル・キャンプ場はもちろん
夏には海辺のプライベートビーチも楽しめるそう
そろそろ夏休みも終わりに近づいていましたがお部屋は連日満室らしいです。
OH ! SUMMER VACATION ナイスだぜベイビー
でも海水浴場なんてどこにでもあるじゃん、と思ってるあなた、
NO NO NO ただのビーチじゃないんですよ。
船から降りて見回すとなんだかこちらに向かってやってくる生き物の姿が…
人間を恐れる様子もなく、それどころか積極的にわらわらと集まって来るのは…
野生のウサギではないですか
ミッフィーですよ。ピーターラビットですよ。月野うさぎですよ。あ、これは人間か
用意周到な人はちゃんと草とかキャベツとかエサを持参して来てるみたい
手ぶらの私、むむ、遅れを取ってしまった…
しょうがないので人の褌で相撲を、いやウサギを撮ることにしようっと。
外国からのお二人さん、鹿寄せ名人ならぬウサギ寄せ名人になってしまってる
池の鯉にエサをやってるみたいにも見えますが。
それにしてもか、か、可愛すぎる
およそ700羽のウサギが生息していると言われている大久野島
戦後、地元の小学校で飼われていた数羽のウサギを放したのが始まり、と
休暇村のH.P.には書いてありますが
島の案内板をよく見ると分かりますが
この島には第二次世界大戦当時、とんでもない施設があったのです。
日本陸軍の毒ガス兵器製造工場がこの小さな島に建てられました
最高機密であったため、地図からも消された存在だった大久野島。
あんまり口にしたくはない話ですが、
毒ガスの効果を試すため動物実験が繰り返されたのは当然のこと。
最も多く使われたのがウサギでした。
そのウサギたちの生き残りが繁殖して今に至った、とする説もあるのです。
先祖の話を知ってか知らずか(知ってたらそれはそれで怖い)
案内板の下で呑気に穴を掘ったりしています
島には毒ガス資料館なる恐ろしい名前の建物があります。
そのパンフレットに書いてあるのは
戦争の悲惨さを…
平和の尊さを…
生命の重さを…
という三つの言葉。
この歴史を忘れないために、二度と再び繰り返さないために、いつまでも平和であり続けるために
資料館を出た後にまたまた出会う無邪気なウサギたち
この平和が永遠に続くことを願いながら
島影が重なる瀬戸内の海
でもこの島の歴史を目の当たりにした後では
空模様が怪しくなってきました
そろそろ本土に戻ることにしましょう。
帰りに乗るのは行きとは違って小さな連絡船
行きのフェリーに乗る時は時間がギリギリだったので
立ち寄れなかった忠海港の小さな売店。
うさぎの想い出という文字が目に入りました
美味しそうなソフトクリームの写真を見ては素通りするわけにはいきません
まさかウサギ味、ってことはないでしょうね
抹茶とマダガスカルバニラの二種類でひと安心(当たり前だ)
MIXでお願いしま~す!
あれ、おじさん、これは写真とは随分違うんじゃない
ウサギの耳みたいにピーンと立ててほしかったなあ…
などと思いつつ、うさぎの想い出をしみじみ味わったのでした。
島で買ったウサギのクリアファイル
金属製のこんなマグネットもありました。
こちらも愛らしすぎて困る~
ウサギたちに癒されまくりの大久野島、いかがでしたか?
この後、安芸の小京都と言われる竹原市をぶらぶらします。
どんな町かは次回のお楽しみ…