生涯で「賞状」なんて大それたものを
貰ったことは、過去に一回しかない。
横浜線の成瀬駅にあったユニーの四階
玩具店のプラモデル・コンテストで、
中学三年生だったから、’85年のことだ。
ガンダムのプラモデル全盛期で、ザクや
ドムやズゴック、塗装に凝った作品が
ずらり並んでいたけど、少年片岡の出品は
ゴジラを本体をベースに、プテラノドンの
翼を背中に取り付け、顔はパテで細工をし
一つ目にして、身体全体に蝋で鱗を付けた
あとに塗装を施したオリジナル怪獣だった。
つまり、正攻法のロボット・プラモデルの
出品では、まったく勝負にならないだろう
という奇策が功を奏して「特別賞」という
何というか微妙な賞を頂くことになった。
ウチの大学では一年に一度、全教員の中から
「ベストティーチャー賞」が選出される。

今年のベストティーチャー賞は片岡センセ
なんだそうで「おめでとうございます」と
メールが届いた。正直なところ「は?」って
感想だった。大学ってところは、教養豊かな
先生が、とっても沢山いらっしゃるのよ。
「授業アンケートの結果に基づき選出」と
説明をされて「ああ、そうか」と合点した。
これは学生皆んなが「楽しく学べました」
っていう投票をしてくれたってことだね。
片岡センセは、音楽のお勉強はとにかく
「楽しみながら」をモットーにしてるんで
そう感じてくれた学生たちが多かったって
ことなら、これは皆んなで貰った賞も同然
ってことだよな。そう考えれば素直に嬉しい。
表彰式のあとで、学長先生が「何かコツ
とかあるんですか」とお訊ねになるので
一瞬、言葉に詰まったけれど、
「ひとつだけあります」と伝えました。
「ポップスを学んでいる学生は、220名
以上在籍していますが、ボクはひとり残らず
名前を言えますし、どんな演奏をするのかも
どれだけ単位を持っているのかも判ります」
コツだとかは何も持っていないんだけど、
たぶん、そういうことじゃないのかと思う。
堅苦しい賞状に学生とシール貼りまくって
副賞で金一封もらったんで、その日の夜に
職員方々と繰り出して、パーっと呑んで
使い切りました。よし。めでたしめでたし。

ある日、歌姫・SHUUBIさんと府中の
〈J GRIP BAR〉にてコラボレーション
ライブでした。共通の知人であるYONEさんが
企画してくれました。SHUUBIさんのこと、
もちろん名前は存じ上げていましたが、
お目にかかったことがなかった。七月に
府中の〈J GRIP BAR〉で、お話をしてみると
共通の知人ミュージシャンいっぱいで驚き!
っていうか、そこには25年以上前の片岡大志
バンドでドラムを叩いてくれていた野口薫氏!
〈J GRIP BAR〉は野口さんが経営している
ライブハウスバーだったのでした。再会!乾杯!
SHUUBIさんと野口薫さんと話が盛り上がり
その夜すぐに九月のライブ日程を決めました。
〈J GRIP BAR〉での本番では、SHUUBIさんが
なんと僕の’95年の楽曲「失恋」を歌って下さった。
「だいしさんの曲を色々聴いていたら、これを
歌いたくなって」ええー!そんなの光栄すぎます!
SHUUBIさんの「失恋」はうっとりするような
歌声で、サポートの野口薫さんのギターも
キラキラしていて、ああ、この曲を書いていた
折に思い浮かべていた、中洲のネオン街が
目の前に広がりました…。ありがとうね!

三人でのセッションもスペシャルでした。
しゅうちゃん!野口さん!また演りましょう!

ある日、僕は北海道の函館市にいました。
ギターとトランクなしで、飛行機に乗った
ことがないものだから、身軽すぎて、旅中
ずっと忘れものがあるような気がしてた。
今回の函館市来訪は、大学の教え子の
「教職実習」の立ち会いでした。
教職実習とは、教員免許を取るための
最後の仕上げで、高校や中学校にて、実際に
授業を行います。母校で授業を行うケースが
多く、教え子は函館の高校出身だったわけ。
僕の仕事は、高校を訪れ教え子の授業を
見学し「うむうむ」と頷き「立派な授業
だったじゃないか(ニヤリ)」と褒め称え、
実習レポートを作成して、大学の「教職課程
センター」にメール送信したら任務完了です。
さあさあ、国家資格に関わる重大任務を
果たしたのだから、まずは乾杯が必要だ。
海風の香る函館駅前を歩いてみる。前回に
訪れたのは三十年くらい前だったか、開局
したばかりのFMイルカ出演が記憶にある。
誰が言い出したか「名店は裏路地にあり」
しかしこれは、時と場合によるものだ。
函館のように、海鮮が飛び抜けて新鮮な
港町では客入りがよく回転の早い店が吉。
一軒目に選んだのは「ふさや大門店」。
カウンターに落ち着くと、タイミングだった
のか、10分で店内満席。厨房には十名ほどの
板前さんが威勢良い掛け声で、矢継ぎ早な
注文を捌いている。さっそく函館の地酒と
地魚、ホッケ刺とカワハギ刺とを注文する。

ホッケは痛みやすい魚なんで、関東では
刺身で味わうことがほとんど不可能だ。
ホッケってこんな可愛い顔してたのね。

珍しい刺身をつついてみると、ふんわりと
脂の乗った繊細な味わい。こりゃ美味い。
カワハギも大ぶりな肝付きでバカ美味い。
それじゃ、秋刀魚はどうなのよ。銀ピカの
刺身が登場。脂ギンギンでなまら美味い!

函館目玉の観光地でもある「五稜郭」にも
訪れてみた。戊辰最後の決戦「函館戦争」
には不勉強だったけど、五稜郭タワーの
展望台に設置された詳細解説をじっくりと
閲覧して、当時の混沌に思い巡らせました。

展望台から望んだ函館の眺望は、函館山が
港町を見守っているかのようで、そういえば
僕の教え子も、高校の教室の窓から「今日は
函館山がよく見えます」などと、嬉しそうな
面持ちで指差してくれたのを思い出しました。

土産話の最後に、函館に訪れた折には、ぜひ
「小田島水産食品」に足を運んでみて下され。
木樽で仕込まれた絶品のイカの塩辛が
工場と隣接しているバルで味わえます。

家族経営している小田島水産の二代目の
丁寧な解説を伺いつつ、ちびりちびりと
冷酒を呑りながら味見をしたイカ塩辛の
フルコースは、もはや桃源郷にいるのかと
錯覚するほど。二代目の勧める函館地酒の
「五稜」は儚い夢のように優雅な味わいで
その酒の旨味が風に流れるリボンのように
舌を漂います。ここに水産のイカ塩辛が
合わさると、オキシトシン多幸感が洪水と
なり、やがて消えてゆくという次第です。

お土産に塩辛をたっぷり買い込んだところ、
初代の旦那が、函館駅まで観光案内付きで
車で送って下すった。水産の工場ではイカの
不漁で使わなくなった倉庫で音楽イベントを
行ってるそうで、いつか再訪したら、ぜひに
歌わせてほしいとお願いしてお別れしました。

仕事で訪れた函館だったけど、この滞在は
幸せな夏休みも同然の旅でした。函館を再訪
するにはどうしたらいいか熟考中でございます。
石田匠・生前葬ライブ@下北沢441でした。
満員となった会場は大騒ぎの大喝采。
これ、ここでレポートを読むよりも
10月初めまで配信アーカイブで観れるから、
こちらもどうぞよろしくお願いします!
この夜集った手練れのミュージシャン達の
石田愛に溢れた演奏に胸が熱くなりました。
久しぶりに再会したミュージシャンも多くて
(お目にかかりたかったミュージシャンも)
石田くんから良縁を授かったという次第です。
おれは、依頼の「千鳥足」を歌うために
この一ヶ月半くらい、架空の石田くんと
架空の繁華街をずいぶん呑み歩きました。

おれが楽曲に付け足した詩の朗読は、
なるほど石田くんに仕込まれてたんだな。
「これを歌え」と言えば、大志はそうする
だろう、と。まんまと策に嵌まりました。
そして、あさひくんのピアノが最高だった。
さすが石田匠が全信頼を寄せている音楽家。
彼の耳には音楽以上の何かが聴こえている。
最後の最後に、石田くんが一曲だけ歌った。
すげえ歌だった。歌手、斯くあるべし。
音楽には哲学が必要だ。人生には美学が必要だ。

この素晴らしいイベント、Vol.2が決定しています。
その身体を奮い立たせて歌っておくれ。
闘い歌う石田匠の姿を多くのリスナーに観てほしい。

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★10月と11月のライブ告知です!

●2025年10月13日(月祝)@板橋ファイト
「human relationship2」
Singers are 片岡大志/ヨシケン/植田健一/彼彩HERO(O.A)
・18:30 Open 19:00 Start
・前売り3500yen 当日4000yen(1Drink別)
※チケットの取り置きは、片岡大志XのDMまで!!
(忘れちゃわないようリマインドをお願いします!)

●2025年11月1日(土)@山形県酒田中町Bスタジオ
(山形県酒田市中町1-7-9中町センタービル5F)
「酒田はBが多すぎる」
Singers are 片岡大志 and はんだすなお/ミノルズ
・15:15 Open 15:30 Start
・Music Charge 3000yen(飲食持ち込み可)
●2025年11月29日(土)@大宮CITY LIHGTS
・詳細未定(なるはやで告知します)
(教え子DUO出演者とのコラボレーションがあります!
とっても素敵なのでオススメの夜です!)
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さてさて。今日から大学仕事が再開です。
ちょっとは早めに眠らなくちゃって思いながら
まだ眠りたくない。ブログを綴ってると
いっぱい色んなことを思い出すからねー。
この夏、やり残したこともいっぱいあるけど、
それはこれからやればいいやいね
いい加減は良い加減、テキトーは適当でございます。
よし、もう一杯だけ冷たいビールを呑んで
それで夢ん中とします。おやすみなさいZzz...
2025年9月23日未明 涼しい真夜中に
かたおかだいしより