十九日目




バンコク滞在費

予防接種代があるとはいえ、8日しかいないのに使いすぎた。
10時頃起床
手早く身支度を済ませ、11時頃チェックアウト。
今日はタイを脱出しネパールはカトマンズへ着弾する日。
昨日親しくなった中国人と欧米人が空港まで見送りに来てくれる
はずもなく一人で空港へ。
ホステルの前までは見送ってくれた。
13時過ぎにスワンナプーム国際空港着。
16時50分のフライトへ向け胸が高鳴る。
チェックインを鮮やかに済ませ、搭乗手続きをしようとするが、17時をまわってもゲートが開かない。外は滝のように雨が降っている。
ネパール人じいさんから物珍しそうにガン見される。
「ネパールは何もねえけど、ええとこやで。ところでおまんは何歳なんや?22歳でその英語かいな。下手すぎんかて」
みたいな侮辱を受ける。だめだ、もっと勉強しねえと。
予定時間を1時間半ほど過ぎてやっと、乗り込み開始。19時くらいにやっと離陸した。
乗ったのがネパール航空とかいうLCCなのだが、サービスが抜群に良い。

ルービーを飲んでる間にカトマンズはトリブバン国際空港に到着。21時30分くらい。
アライバルビザは案外簡単に取得可能で、タッチパネルで適当に入力したら一瞬で取れた。
40ドルで30日。
めんどいので両替商で100ドルを10880ルピーに変換。空港を出ると、タクシーの兄ちゃんに当然捕まる。滞在するホステルまで8キロ。街灯もなく、かなりくらいので海外に来て初めてタクシーを利用した。最初は900と言っていたが、500ルピーでいいと(1ネパールルピーほぼ1円)。
車内では日本語を交えながらも英語中心の会話。うーん、自分が言えたことではないけどネパール人の英語も下手だ。しかし、パッションがすごく、伝えようという意思が強い。半分くらい理解できぬまま、ホステルに到着したと思いきや訳のわからないツアー会社の前で降ろされる。
「俺のダチのツアー会社だよ。安くて良いトレッキングができるぜ。大丈夫5分で済ますから」
嫌だ嫌だ、と抵抗するも引き摺り降ろされるように雑居ビルの中へ。
恐る恐るオフィスの中を除くと、威圧感たっぷりのネパール人が二人いた。
「ヒマラヤトレッキングにパラグライディング、寺院観光。選り取りみどり。お前はどれがいい?」
みたいな感じで矢継ぎ早に話を進めてくる。
「もう眠いからホステルへ行きたいのや、明日の朝来るから」
と10分くらい噛み合わぬ会話をしていたら、観念して開放してくれた。
すでに時刻は23時前。
車へ戻りやっとホステルに行けると思っていたら、次はドライバーおすすめのホテルに連れていかれる。
「Wi-Fiもあるしホットシャワーだしシングルルームで5ドルや。安いやろて」
ほんまに勘弁して。予約してるホステルあんねんてと食いぎみに言うと、再び車は走り出したのだが、また別のおすすめホテルの前で降ろされる。
今度こそ、普通にキレた。
「もう予約してんねんて。ほんまええ加減にしてや。はよ寝たいねん」
ネパール人はかなり粘りが強い。根負けしそうになるがやっと本来の道へ戻った。
途中までGoogleマップなんて見ていなかったからカモにされたのだろう。最初から見ておけば良かったと思うも後悔先に立たず。
結局ホステルについたのは日付が変わる頃だったか。
タクシーから降ろされたのも真っ暗な道のど真ん中で、ホステルからは500メートルほど離れた場所。しかも最初に500と言っていたのに800ルピー要求してくる。なんだこいつ。
めんどくさすぎて700まで値切って交渉成立。
暗闇の中を怒りと悲しみを原動力に駆け抜けた。
到着即就床。
二〇日目
そもそもネパールに来たのはインドビザを取るためでパラグライディングでもトレッキングのためでもない。
朝は9時に起き、インドビザセンターへ。
前日にオンライン申請しなければ普通受付してもらえないが、VISAセンター横の代行屋に行くとその日に申請できる。日本で言う免許センターの横の試験対策屋さんと同じ癒着システムなのだろう、多分。
10時半頃代行屋で書類を書き終え、ビザ申請所へ。
待ち人が20人ほどいた。このビザセンター待たされることで有名なのだが、本当に長い。
13時頃やっと番号を呼ばれ、申請。
手続きは10分程度で終わった。
次は23日に来いと。
タイでもそうだったが、ネパールへは何をしに来たわけでもないのでこの一週間また暇になるのも嫌なのでカトマンズの中心タメル地区を練り歩く。
渓谷を切り開いてできた街だから道が狭いし、歩道なんてありゃしない。首都とは思えない街並みだが、家はかわいい。
東南アジアでは腐るほどあった屋台も、1つも見かけない。道の狭さが関係しているんだろう。
街の30パーくらいがトレッキングを扱う店。さすがはヒマラヤのお膝元。あとの40 パーが服屋と雑貨屋で20パーくらいがスパイスショップとかツアー会社で飯屋がほぼない。
ネパールの国民食。ダルバード。ネパールのカレー定食的なやつ。
引くほどうまい。ほぼ野菜しかないし、ヘルシーなんじゃないかと思わされる。かなりスパイシーだが、コクもある。350ルピー。
このダルバード食い終わりかけに勝手に店員がおかわりを持ってくると聞いていたが

ほんとに持ってきた。いらないというまで無限ループらしい。1回で満腹になりギブアップ。
再びタメルを練り歩く。ネパール人は多分平均身長が低い。163センチの私でも完全に溶け込むくらい。
とか考えながら歩いてると150センチくらいの青年ネパール人に声をかけられる。
「俺、名古屋に日本人の友だちおるで。良かったら観光案内するぜブラザー。勿論無料だ」
怪しいと思いながらも、彼の無垢な笑顔に抵抗できるはずもなく寺院を案内されるがままついていく。

「これが仏陀でシヴァでこれガネーシャだ。ここでお祈りするとグッドラック、ハピネスやで」的なことを言ってた気がする。ニルヴァーナとかも言ってた。あとは仏陀とキリストとシヴァが奉られたエルサレムもびっくりの聖地に連れていかれた。
年の頃28という。3年前の大地震で両親を失い、今は奥さんと子ども二人と住んでいる、今はアートの勉強をしてるんだ。
みたいなことを言われ、プータローの私は泣きそうになる。街中は未だに震災の爪痕が残る中、わけわからん日本人に観光案内して偉いなあ。
「日本人英語しゃべれない。あなたしゃべれる上手」
心にもないことをほいほい言って誉めてくれる。嫌みなのか優しさなのかよくわからない。
「金をせびる現地のやつらは悪い。バッドカルマだ。ところで、飯だけおごってくれへん?」
きたきた
これですよ。金は直接やり取りするとバッドカルマやのに、なんで奢りはええねんとツッコミたくもなったが、まあいいやつなので昼飯くらいならと思っていると、商店へ連れていかれる。
かごの中に米やら赤ちゃんのための粉ミルクやらスパイスやら次から次へと放り込む。しめて3500ルピー。
いや、それはないやろて。二人あわせて1000ルピーくらいの支払いやと思ってたのに。
「ノープロブレムノープロブレム、1000ルピーならあるんやろ。」
商品を少し減らして、きっちり1000ルピー支払わされる。
「明日お祭りがあるんだ。朝、案内してやるから電話くれや。今日買った食材で飯も食わしてやるからさ」
と嘘かほんとかよくわからない約束を取り付けられる。今はバッテリーが切れてるとか言われて電話番号もその場で確認しなかったので、ほんとにこいつの番号かは定かでない。
うーん、私が雑魚なのかネパールが強いのか。
刺激的です。
続く








