二七日目

8時半頃に起床。今日は朝からインド大使館へ行かなければならない。9時頃外出。10時前インド大使館到着。

 すでに15人待ち。昼くらいまで待たされることを覚悟しヤニを吹かしながら全裸待機。欧米人にライター貸してと言われ貸すも貸したマッチをなぜか懐に入れやがる。「間違えた。ソーリーソーリー」。この日常系漫画に登場しそうな(日常系漫画にタバコなんて登場しないけど)細やかなシチュエーションがたまらない。

 案の定90分ほど待たされ11時過ぎに呼ばれる。「パスポートをよこせ、明日返すから」と受付嬢に言われるがまま指示に従う。明日の夕方に取りに来いとのこと。

 聞いてはいたがビザ申請一週間→パスポート預ける→数日後発給とのことで日本で取得するより安いし簡単だが時間はかかる。

 受け取りが明日ということでチトワンとポカラに行くまでの目処も立った。そして次はいよいよのいよいよインドなのです。12時過ぎ昼食。コメをしばらく食っていなかったのでダルバードを注文。

共産主義国みたいなデザインの椅子と机。だだっ広い店内にポツンと座らされる。店員はずっと半径三メートル以内で待機しているので謎の緊張感に包まれる。


1回目で腹は満たされてるのにもりもり食わせてきやがる。約一合を吐きそうになりながら完食。コーラと合わせ300ルピー。

 ギャル曽根やらもえあずやら大食いタレントはネパールでフードファイトすれば一生食費に困ることはないだろう。一食300円で一升食うのも夢じゃないのだから。

 食後に強烈な便意。トイレの場所を問うも言われたところには小便器しかない。 大便器は女性便所にしかない模様。小便器で脱糞するか女性用トイレでするか迷うも前者はさすがに炎上案件なので気は引けるが女性便所を拝借。初の和式&ぼっとん式の夢のコンボ。水も柄杓で流すタイプ。

 長いこと団地で育成されてきたが中学くらいまで洋式&ウォシュレット付のトイレ以外使いこなすことのできない温室育ちだったことを思うとかなり成長した。

 脱糞中に気づくが、またまたまたまたまたまた紙がない。たまたまウェットティッシュを持っていたので万事休すとはならず事なきを得る。

13時前カジノへ向かう。うんは捨ててきてしまったが菊門に残りのうんはついとるやろうと伊藤カイジよろしくザワザワ武者震いを起こしながらずんずん進撃。どうせ20ドルくらいしか賭けないけれど。

 昨夜、必死に覚えたモンテカルロ法やらブラックジャックやポーカーのルールを思い出しながら屈強な守衛に近づく。サンダルとジーンズを身に纏いドレスコードなんてくそ食らえと言わんばかりの格好でもどうやら入れてくれるみたいで安心。

「パスポートをよこせ」

 ネパールは現地民の賭博を禁止しているので、その確認のためパスポートの提示がマストらしい。こればっかりはどうもこうもしようがない。

「明日また来ますね。」と日本人紳士らしくヘラヘラしながら込み上げる恥ずかしさを必死に押し殺した。

13時頃にカフェへ。コーヒー一杯で3時間ほど粘る。再び便意が僕を襲う。

 洋式。しかも水がブルーレット的なやつで鮮やかな青を醸し出している、感動とはこのこと。久々に気持ちよく排出。毎日やたら糞が出るがやはり軟便。健康なのか体調を崩しているのかよくわからない。

 うんこのことしか最近書いていない気がする。というか最初から。うんこくらいしか書くことがないのか俺の旅行は、と何だか悲しい気持ちになりながら帰路を引き返そうとするが外は例のごとく雨。思い出はいつも雨(c.v.桑田佳祐)。

 ネパールは6月~9月くらいまでは雨季が続く。朝は晴れているのに夕方になるとほぼ必ず降ってくる。朝から屋上で服を干していたが台無しだ。諦めて店内へ戻り雨が止むのを待つ。脳内BGMはもちろんダニエル=パウターの『Bad Day』。

 免税店で1カートン手に入れたセブンスターがついに切れた。現地のまずいタバコと付き合うか禁煙してみるか。問答無用で答えは前者に決まっている。そう言えばJTはまた値上げを発表したがこっちでは一箱100円とかで買えちゃうんだからやめられるはずがない。禁煙は帰国してからまた考えよう。

 宿に戻りロクシーを飲む。1リットル分買ってしまったので減らす外ない。500ミリくらい飲んだところで無事死亡。ブラックニッカのごとく悪酔い。23時頃床に就くも3時間毎に目覚める。くしゃみも止まらないし喉はカラカラ。免疫がへぼっていたのか風邪を引いてしまったようだ



二八日目

10時頃起床。10時半頃チェックアウト。支払いは4泊1500ルピー。

予約段階で9ドルだったので1000ちょいとかのはずだからどう計算してもおかしい。しかし頭の回転が鈍いので指摘できないしあとからぼられたことに気づき沸々と怒りが湧く。「日本語でレビュー書いてね。もちろんグッドなやつ!」じゃねえよ。書く分けねえだろ馬鹿野郎。

オタクのokmtのニチャァっとした表情と金言が頭をよぎる。「お前は余裕がないからダサい」。くれてやるよ500円くらい。それでやつらが幸せになれるなら!あとでカジノで一山当てるしな。

 11時半頃、昼飯。昨日の14時に飯を食って以来何も食っていない。ピザ130ルピーという看板が掲げてある店へ。入って聞くと150ルピーらしいがまあ許す。

赤子でも腹を満たせない大きさ。味はうまい

食後はヤニを吸いたくなる。隣にあった酒屋でタバコをチョイスする。「一箱170ルピーだ」。

そんなに高いわけねえだろタコ。ドゥユーハブチーパーシガレッツ?と完璧な英語をかましてやると、70ルピーのタバコが出てきた。そら見ろ。俺じゃなきゃ見逃しちゃうねおじさんにも匹敵する鋭さ。勝利の余韻に浸る。

ついにこの外国にありがちなグロパッケージのヤニを手に入れた。味は鬼のようにまずい。濡れたあとのわかばを乾かしたみたいな辛さ。
こいつは禁煙できるかもしれない

12時頃に再びタメルのホステルにチェックイン。陽気なオーナーに2日後のチトワン行きのバスをオーダーする。「宿代、バス代、ツアー代全部コミコミで150ドルだ。安いやろ?」

 ジャングルに行くのだから象とかは乗りたいしサファリも行きたいけど現地のトラディショナルダンスショーとかミュージアムとかはどうでもいい。これなら自分でプランを組む方が安上がりだ。

長々と営業トークをふっかけられるが、スルーで700ルピーの片道バスチケットのみで決着。危なかった。雨季は毎年、地盤が緩み土砂崩れ、崖崩れが起こりツアーバスで数十人単位がくたばっている。そうならないことをひたすら祈る。腹が減っているので再び飯へ繰り出す。

カトマンズ1と言われるモモ。確かにうまい。もちもちの生地の中から溢れる肉汁とソースのハーモニーがたまらん。ソースはパクチーもりもりだが主張が強すぎずちょうどよい。90ルピーというのも手頃。

 食後に昨日と同じカフェへ。16時に大使館に行くまでの暇潰し。素晴らしいトイレもあるので漏らす心配もない。3時間ほどコーヒー1杯で粘り無事大使館へ。一瞬でビザ取得。 手続きは煩雑だがこちらとしては面倒ではないのでまあ良し。

 そしていよいよ勝負の時間が訪れる。17時前にカジノに入店。最初の1時間は他のプレイヤーを物色。バカラやらスロットやらブラックジャックやらあるけど、いまいちわからん。ルーレットくらいしかわからないので期待値上、絶対に勝つ方法でルーレットを回しまくる。

3時間経過後。

 まあ負けましたね。20ドル。最初は100ドルくらい勝っていたのに、あれよあれよと言う間にチップがなくなりました。かくなる上は無限に無料飯無料酒を食らうしかないと意気込むがオーダーの仕方がわからない。

 そこへ謎のインド人登場。「俺が頼んできてやるよ」と。イカした野郎だと思ったがそれが間違いなのだ。旅先でブラザーとかフレンドとか第一声に発するやつはまず疑わなきゃいけないのにビールとタバコをよこしてきたばっかりに気が緩んでしまった。

 「タメルで店をやってるんだ。この服は350ルピー。後で寄らない?」と例のごとく営業トーク。最初は抵抗していたがチリチキンやら追加のビールも持ってきて至れり尽くせり。「俺は毎日ここに来てるからVIPなんだ」と言うけどもカジノの定員どもは「金払いの悪いジャップだから飯は出すな」とストップに入る。2杯目のビールなんて変なウイスキーが混ざってるのかひどい味。VIPならもっと出せよとは思うがやはりダメらしい。雑魚目のVIPなんだろう。そしてここに来る日本人をカモにしてぼろ儲けしてるんやろ。ほんま許せん。

 結局ビール×2、チリチキン、フルーツ盛りでフィニッシュ。2160ルピー負けたから一皿500円。3時間暇潰せたならまあ許せるか。いや許せん。カトマンズのバリーカジノだけは絶対ダメ!

 フルーツ盛りにはパパイアも含まれていたのだが「こいつは肌に良いんだ。お前肌汚いから効くぜ」と。まあ相当荒れているんだろう。気にしないようにしていたがダメみたい。悲しい。

 ステージはカジノ。これは欺き合い。と言い聞かせ何なんとかこいつの店に連れていかれないよう巻く計画を立てる。目を離した隙にトイレへ逃げ込み10分経過後カジノから脱出する。我ながら、完璧な計画だ。

10分後トイレを退出すると普通に待ち伏せしてやがる。これは買わないと逃がしてくれないやつや。

 「ハイクオリティ、ミドルクオリティ、チーパークオリティあるけど、どれにする?」全部、インド産のカシミア仕様らしく。上から4000、2000、1000らしい。ぶっちゃけどれも買いたくないけど、買わないと逃がしてくれなさそう。弟と称するインド人とともに挟み撃ちに合う。

1000を500にするなら買ってやるよと勝負に出ると「しょうがねえ。お前はブラザーだから」
とあっさり値下げ。こいつら、もとから高い値段提示しやがって..。とは思うものの買うと言ってしまった以上仕方がない。

 購入後なぜか家につれていかれる。レイプでもされるのかと思ったが自慢に終始。

「ギャンブルは勝つときもあるし、負けるときもある。明日もまた来いよ」とかなんとか漫画のキャラみたいにカッコつけがって。

1日、宿泊費込みで600くらいで過ごしてきたのに、この日だけで2160+500の損失。

 インドに向けて先行き不安。明日はご飯抜きですね。

続く