ついにそのときは訪れた。きっかけなどはない。強いて理由を挙げるとすれば部屋に誰もいなかったということと昼間にメデューサを見てしまったこと。たったそれだけの理由で昨日の夕刻約十週間ぶりに自分磨きをしてしまった。トルコはほぼ全てのエロサイトにアクセス制限がかかるため、おかず探しには一苦労した。唯一見られるサイトを見つけてからは瞬きも許さぬスピードで絶頂を迎えた。思えば二ヶ月以上もよく辛抱した方だと思う。嘘のオナ禁神話に突き動かされ駆け抜けた二ヶ月間だった。やる気がみなぎるぁとかお肌がきれいになるだとかモテるだとかこの修行期間中一ミリも体感しなかった。むしろ身体は常にだるいし他人に指摘されるほど肌荒れはするし、どんどん陰気臭い東アジア人になってしまった。日本にいる間は最低でも4siko/dayがデフォでルーティンを急にやめてしまったがために具合が悪くなり事がうまく運ばなくなったのだろうか。久しぶりの快感とともに訪れる背徳感と罪悪感。ああ、これを感じるために生きてるんやと心から思った次第。とはいえ、やはりもう一度オナ禁に挑戦してみたい気もする。その先に何もないかもしれない。でも自分自身の限界に挑戦することそれ自体が美しいと思うのです..。




六七日目


 朝飯を食らったらば、だらだら。フライト前は時間をもて余してしまう。13時前に宿を出る。そこいらの道端にディズニーランドみたいな屋台が乱立している。とうもろこしと栗の屋台、ガラタ橋付近ではサバサンドの屋台。どこに行っても見かけるのはパンの屋台だ。


この丸いゴマパンをターキーたちは無限に食っている。味はないし、やたら固い。そこまでうまくないが、36円程度とお菓子にはちょうど良い。


 このパンをかましながら例の職人サバサンド屋台の列に並ぶ。13時過ぎ西洋人アベックと韓国人5人が先客。西洋人の客がはけてなんとかセカンドロットに間に合いたいところだが5本だけしかサバは焼かれていないので次のロットにまわされたということ。無限に韓国のオタサーの姫×1とコリアンオタクのやり取りを見せつけられる。

 韓国人のロットが終わると大勢の西洋人たちがやって来て列に横入りされる。いくら俺の身長低くても見えてるやろ。まあいい、俺のサバはすでに予約済。これはおまいらの分じゃない。

 今回は着丼まで30分くらい、ピークの時間帯じゃないのか前回は三人で店を回していたが今回はおっさんオンリー。


やはり、レベルが段違いだ。あとで確認のためまずいサンドも食っといた。一応。やっぱりこいつがうまい。

 イスタンブールのフィナーレにトプカプ宮殿へ行くため宿のある新市街から旧市街へと向かう。新市街の方は客引きなどは少ないが旧市街はひとたび歩けばワイルドターキーどもに「アーユージャパニーズ?マイフレンド!」と声をかけられるのが日常茶飯事。相手にしてはいけない。およそ三キロの行程。地図的にショートカットできそうだったので試みるも見事に失敗。無駄に三キロ追加で一時間を失う。15時頃トプカプ宮殿の入り口に到着。しかし何やら様子がおかしい。ドでかい機関銃を携えた軍人×2がスタンバイしている。開いてないの?って聞いたら食い気味に「クローズ」との返答。がっつり18時まで開いてるって書いてあるし中からわらわら人も出てきているのに。いつか開くかなと思って暫く眺めていたけれど一向に開く様子はなく他の観光客も秒で撃沈していた。昨日「今日疲れたから明日でいいや。長期滞在最高!」とか思ってたけど行けるときに行かなきゃこんな目にあうかもしれないということを学んだ。大誤算だ。めんどくさがったらあきません。次回来訪できるなら、ここは寄りたい。


開いてくれ!

 最後にブルーモスクでも拝んで帰るかと宮殿の向かい側に佇むブルーモスクに狙いを変更。しかし、こちらも16時まで開いてるって書いてるのに閉まっている。時刻は15時45分。「入りたきゃ1645」に来いと。疲れた。帰ろう。帰りしなにアヤソフィア裏のお墓に参拝。アヤソフィア自体は入場料1100円もするのにこちらは無料だった。観光客も少ない。


アヤソフィアとブルーモスクが見えるこの公園めっちゃ好きやった。


 部屋に帰ると同室の英国人が吠えていた。「トルコ人はマジでクレイジーだ。みんな金金金。トルコ人なんか大嫌いだ。フレンドリーじゃないしクレイジーなファッキンピーポーだ。今まで16カ国まわったけど断トツのワースト。トルコの横のジョージアは貧乏な国だったけど良い奴らばっかだった。イギリス人はクールで笑わないし無愛想だけど親切だし。トルコはマジでクソ!」


 的なことをスペイン人の女の子に愚痴っていた。何があったのかはわからないが、相当トルコにムカついているよう。かたや死ぬほどぼられても「トルコ大好き」なんてほざいている東洋人もいるのだから感じ方なんてほんとに人それぞれなんだなとしみじみ思う。ちなみにこれは全て盗み聞き。英国人とは一切会話していない。眠気はありながらも寝られないときに顔を腕に沈めながら女子たちのゴシップを仕入れていた高校時代の経験が確実に活かされている。英語のリスニング技術も向上している気がする。簡単な英語だけ使っていたのもあると思うけどファッキンとクレイジーしか言っていなかった。貧弱なボキャブラリー。


 会話相手のスペイン人はほとんど英語を話せないガール。彼女は昨日の晩「私、日本のアニメ大好きなの」って話しかけてきた。『ドラゴンボール』とか『聖闘士星矢』とか『ワンピース』あたりのジャンプ作品を期待して何が好きなのか問いかけると『グラビテーション』という一ミリも聞いたことのないタイトルを言われた。お互い英語ができないので、Google翻訳を通じてその作品の魅力を延々と語られた。「グラビテーションは男同士のロマンチックアニメーションです」とGoogle先生が言っていたのでなんのことかと思っていたらBL好きのパイセンが「アメリカで初めて発売されたBL漫画!」とおっしゃっていた。言葉を選ばず言うなら、日本の腐女子を見ると若干引いてしまうがスペイン腐女子はなんか悪くない。ギャップか?


 ヤニの消費量が明らかに増えている。心理的余裕が少ないときほど吸う本数が減って余裕のあるときほど増えるというのは些か不思議なものだ。インドで買ったワンカートンのウィンストンが三週間足らずで最後の一箱になっている。ギリシャはたばこ高そうだし免税店でワンカートンかまそうかな。日本の免税店でワンカートン、ネパールで二箱、インドで三箱、インドの免税店でワンカートンと買ってきたので約70日で25箱。禁煙なんて夢のまた夢だ。


 心理的な余裕があるときほど逆に寂しくなる。苦しい時間というのは他の人と共有する必要なんてないし自分のことで頭がいっぱいなので、寂しく感じる余裕すらないのだと思う。どっこい楽しい時間はやはり誰かと共有したい。それゆえに悲しくなってしまうのだ。なんか苦しんでるときの方がブログの閲覧数も多かったし寂しい。最近書くのすげえめんどくさくなってきたし。自分に書く能力なんてないことは承知だから今さら読み返して恥ずかしくなってきた。


 そんな感じで寂しい気持ちを圧し殺しながらホステルの屋上でヤニを吸いっていたのだが、その直後追い討ちをかけるように不幸が私を襲う。ホステルの階段は信じられないほど急な角度なのだが、なぜかその階段がぬめってていてすってんころりん。右足がツルッと滑って天変地異のごとき衝撃。次の瞬間には左腰と右の肘を強打。そして、ずりずりずりと滑り落ちる。何が起こったのかわからないのと激痛のコンボで二分ほど半泣きで停止。なんとか歩いて部屋まで戻れたけど腰の骨折れてるんちゃうか。半期に一回くらいおばあから大量に送られてくる使用期限切れの湿布を持参していたのでそれで応急処置。早く治れば良いけど。




六八日目


 蚊の羽音で目覚め直後に激痛が訪れる絶望の起床。歩けることが不幸中の幸い。チェックアウトしようとロビーへ赴くが呼べど呼べど受付にスタッフが来ない。結局チェックアウトできたのは30分後の10時半頃。アテネ行きのフライトは16時半で出発地のザビハ=ギョクチェン空港はここから2時間ほどのところにある。13時半くらいに着けばいいや。


フィナーレのサバサンド。イスタンブールに9日間いたが、その滞在中に9個のサバをしばいた。特に戻ってきてからは5日で8つも食べてしまった。ドはまりしている。


 アジア側のフェリーに11時40分頃乗り込み20分ほどで対岸に到着。


この景色ともお別れと思うとなんだか少し切ない。


 船を降りて70メートルほどのところにバス停があると聞いていたが、バス停が見つからない。フェリー乗り場の乗務員に聞くと、「あっちあっち」って塩対応。それで、あっちに行ったら確かにバス停はあったが、自分の乗りたい空港行きのが見つからない。バスを探すこと30分、埒が開きそうにないのでバスの運ちゃんに聞いてみると、乗っていたバスからわざわざ降りて数百メートル離れたバス乗り場まで連れてってくれた。優しい💓♥️❤️


 12時40分にバスは出発し、1時間ほどで空港に到着。料金は約100円。バスの窓からぼんやり外を見ていた。フォルクスワーゲンが一番多くて次点でBMWとベンツ、ヒュンダイも頑張っていました。日本のメーカーは滞在中、ホンダを二台ほどとトヨタとスズキを一台ずつくらい見た。イスズのミニバスとトラックも。ホンダに関しては「I LOVE HONDA」って書いてある痛車をカッパドキア周辺で見たけどトルコではあまり日本のメーカーは人気がないようだ。親日って多分日本人が思い込んでるだけで、ほんとはそうでもないと思う。車だけの判断じゃなく。


 空港について免税店でヤニを物色。マルボロワンカートンが35ユーロ、4000円を越える値段で驚愕。ほんまに免税か?アメリカンレジェンドとかいうやつだけ13ユーロとまだ良心的だったが購入を見送る。


代わりにこいつ。やっぱりお袋の味。うますぎる。DOBADOBAバーガーとかいうなんともナンセンスなネーミングだったが味は確か。32リラ。



17日~20日の記録は紛失。計算したら三週間ほどいて14万ほどで内8万はぼったくり。かなり観光もできたしあれさえなければ優秀な会計なんだけど..。クウェート航空に無理やり買わされ、急遽決まったギリシャ行きのフライトはあと10分ほどで搭乗。

続く