八三日目


 4時前に起床。マチュピチュは6時から入れるとのことで二時間ほどの歩行を想定しての時刻。また絶望の起床をかます夢を見た。


 手短に身支度を済ませ、4時半頃に宿を出て歩行スタート。しょうもないハムチーズパンを5ソルで購入。ソルがなくて2ドルで払う。麓なら1ソルで買えるやろ、こんなもん。ご丁寧に守銭奴のマチュピチュ村の連中は朝4時から店を開けてやがる。この区域は全てがテーマパーク価格だ。


 5時前にチェックポイントらしきとこに到着。既に50人ほどが並んでいる。どうやらロードは時間にならないと開かない模様。昨夜、水力発電所からアグアスカリエンテスまで歩くときも名前を書かされた。行方がわからなくならないように対策してるんか。


 ゲートは6時くらいに開きマチュピチュチケットの確認を受け登山スタート。バスの道をひたすら歩くコースだと10キロ以上の道のりで3時間くらいかかる。Google先生曰く。この登山道だと六キロくらいで済む。その代わりにかなりの急斜面でびっくりするくらいにしんどい。先輩のクニキンTVさんと多摩の山登りで鍛えた日本人なめんなよ!とか思っていたけど普通に極東の辺境の山奥を登るのとはわけが違う。標高2000メートルを越えているし、すぐに息が切れてしまう。三時間ほど観光して下山してチェックアウトをする予定だったのでバックパックは置いてきたのだが中にはどデカいバックパックを担ぎながら侵攻している屈強な欧米人もいる。欧米人はやっぱ強いよ。基礎体力が違う。肉食ってるから魚と野菜しか食わない日本人じゃ勝てない。


 ちょうど6時に登頂完了。2時間半かかるとか言ってたブロガーの雑魚誰やねん。体力無いくせに挑戦する奴は他の登山客にとってはかなり迷惑だ。階段はかなり細く一人止まってしまうと後ろの人は身動きを取れなくなってしまう。そういうことを考えられない図々しさも外国人から学ぶべきなのか?ちなみに日本含めて東アジアからの観光客は見たところ一人もいなかった。大概のブログで「行きはバスがおすすめです!」とか書かれているからか。バスだと20分で到着するらしいが12ドルかかる。入口はとても混んでいた。みんな早起きだね。20分くらい待たされて6時20分に入場。







このマチュピチュって15世紀とかにできたらしい。昨日ウィキ読んで知りました。もっと古いもんかと思ってた。こんな山奥にあるもんだから発見されたのが20世紀で、こいつはすげぇとなり世界的な観光名所になったということで。文字を持たない文明だったからマチュピチュ自体も未だにようわからんとか。インカ帝国のスケールのデカさに恐れ戦くばかりだ。晴れていたらもっときれいだったんだろうけど雲の上に立つという不思議な経験ができたし満足だ。今まで見た世界遺産で一番感動したかもしれない。多くを語れない。でも登山したから余計綺麗に見えるということもない。疲れたあとのビールは最高だ、という理論も謎でビールは疲れていなくても普通にうまい。ただ登山したことによってマスかいたあとのスッキリ感みたいなものはあるかもしれない。それが風景の見え方に影響するとは思わないけが確かに達成感はある。ただそれは別個のもん。疲れたから二回目はもういい。もし来るなら次は絶対バス。

 9時頃に下山を開始した。この時間から登山を始める人とすれ違うのだが、やたらペースが遅い。ペースメーカーもおらず人も少ないので自分のペースで歩けちゃうからどんどん遅くなるのだろう。下山はひょいひょいで30分で完了。


 10時ちょうどくらいに宿に着いた。11時チェックアウトなのでベッドでゴロゴロしようと思っていたのだが早よ出ろと言わんばかりに見事なベッドメイキングが施され自分の荷物は部屋の隅に追いやられていた。バスルームの張り紙(マチュピチュは水やガスの料金が高いので節約してください)や部屋で洗濯物を干すなだの小言がうるさい宿だった。それも込みで宿泊費払ってんねんこっちは。やいのやいの言わんでくれや。でも、こいつらは嫌なら泊まらなくていいよって言うんやから、ほんと殿様商売とは害悪だ。冬しか客が来ない季節限定の観光地なら物の値段を上げるとかしないといけないのはまだわかるけどマチュピチュなんて年がら年中常に客がいるんだからそこで定価の2倍も5倍もとるなんてどう考えてもずっちい。ファルコンという宿だったがババァが宿主で宿泊費も1ドルサバ読まれたし。張り紙はご丁寧に日本語、韓国語、中国語、英語、スペイン語etc.様々な言語でところ狭しと張られていた。ファルコンババァ..。


 宿に戻る直前に20ドルだけ両替をした。ドル払いばかりしてきたが、いくらなんでもレートが悪すぎる。500円くらい払う毎に100円くらい取られている。カンボジアではむしろドルの方が現地通貨よりレート良かったのに。ペルーのヌエボソルなんてここ以外役立たずなんだからドルを優遇しておくれよと言ったところでどうしようもない。


 11時過ぎに昼飯をかます。最低でもこの辺は一食15ソルを覚悟しなければならない。下なら半額で食えるのに。会計時18ソルを提示されてなにサバを読んどんねんとなったがリマやイカでは存在しなかった概念「サービス料」が発生し、レシートに記載されていた。20%ってどうかしてるわ。


 同じような店で昨日はアルパカを食った。臭みのないジンギスカンみたいで牛肉とジンギスカンの中間みたいな味だった。ペルーはアルパカを家畜にして食らう文化があるらしい。悪くない。


 11時40分頃に水力発電所に向けて出発。この間の電車は最低29ドルかかるという。マジで普通にお金があるなら乗りたい。クスコというかマチュピチュというか旅行は貧乏人はやっちゃいけない。やっぱこの世は金。幸い自分には親という偉大なタニマチに金を借りられたからなんとかなっているが。今さらだがトルコでぼられた8万さえ持ってればどんだけ旅に余裕があったことかと思う。まぁぼられようがぼられまいが、いずれにせよここは節約のために歩いていたとは思うけれど。


 13時40分に水力発電所に到着。マチュピチュに登ったときは疲労で普通に帰りは電車使ったろうかと思っていたが、案外いけるものだ。


以下歩行時間

水力発電所-アグアスカリエンテス
往路2時間半、復路2時間
アグアスカリエンテス-マチュピチュ
往路1時間半(うち登山1時間)、復路50分(うち下山30分)


 14時半に麓から迎えのバスが来るらしい。ボーッとしていたら後ろから軽く小突かれる。明らかに東アジア人の顔をした青年が「Where are you from?」と尋ねてきた。彼の方も見た目が明らかに中国人か韓国人か日本人の自分を見て安心したのだろう。東洋人が少ない環境で東洋人に出会えると本当にホッとするものだ。不思議なほどにマチュピチュというかペルーで東洋人には会わなかった。ボリビアに行けばおるんかな。彼は韓国人で半年ほどの旅の中間地点にいるらしくたまたまスタート時期も同じくらいだった。北米から南米に下ってきたらしい。その話を聞いても「ふーん」とか「へー」しか言えない自分の英語力がもどかしい。言っていることはわかるのだが全く会話が弾まない。彼とは違うバスだったのでなんか微妙な感じでお別れすることになったけど話しかけてくれてとてもありがたかった。


 予定の14時半を30分過ぎて、15時頃出発。レベッカとロペスのコンビがいつまでたっても現れずこの時間になった。休憩時もいつも遅れてやってくるのはこのアベックだった。勘弁してくれ。


 21時40分頃にクスコに帰還。バスの中も信じられないくらい寒かったが、気温を確認すると9度だった。普通に東京より寒い。今から春→夏になるとはいえパーカー1枚で南米を乗りきれるか不安になる。飯をかまして23時頃に宿に到着。24時頃就寝。




八四日目


 7時前に勝手に目覚めた。身体が良い感じに朝型になっている。筋肉痛がえげつない。2日で50キロほど歩いたか。朝飯をかまして宿のランドリーサービスを利用する。あまりの臭さに耐えかねてのことで、この旅行で初めて洗濯を業者に任せる。衣類の臭いが中学二年時の担任のokmtの体臭と全く同じボロ雑巾のごとき激臭を放っている。一週間同じ服を着た結果okmtになった。然るに加齢臭というのは老化によって汗の臭いの発酵スピードが劇的に上がるだけで若者でも熟成すれば出るものなのだろう。洗濯物は1キロ5ソル。濡れた衣類も入れて2キロくらいかなと思っていたのだが、2.2キロとかで切り上げ3キロ。しょうがないから全部出したけど一泊を越える値段だ。


 9時半頃にチェックアウト。追い出しが早い宿だった。20時に洗濯が終わるとのこと。今日の夜のバスでボリビアはラパスに進撃したい。なぜこんなに急ぐかというとあと二ヶ月ほどでボリビア、パラグアイ、ブラジル、ウルグアイ、アルゼンチン、チリを回らなければならないからだ。あとラパスで毎週日曜に開催されるおばはんのプロレス、通称「おばプロ」を観戦したいからだ。ただババァがやいのやいの茶番を繰り広げるだけらしいが、なかなか見物らしい。今日が金曜で明日到着できればおばプロに間に合うが、それを逃すと一週間ラパスに足止めされる。おばプロを見てすぐにウユニ→パラグアイまでを11月頭くらいで完結できれば、あとのブラジル→ウルグアイ→アルゼンチン→チリが幾分か楽になる。特にアルゼンチンとチリは南北に長いので移動に時間がかかりそう。まぁそれは置いといてラパスまでの切符を確保していないのでとりあえず買いに行く。相場は60-80ソル。


一軒目120ソルなのでボツ
二軒目ラパス行きを持ってない
三軒目100ソルなのでボツ


 全て市内中心部の代理店で聞いたから当然の価格か。ターミナルまでめんどくさいけど歩いて直接バス会社で買う方が安いやろと見越し歩行開始。10時半頃にイカ-クスコ間に利用したクルスデルスールというバス会社に到着。ラパス行きはないとのこと。


 ふらふらっとターミナル周辺を歩いていたら一軒目の代理店が斡旋すると言ってきたバス会社の客引きに捕まる。90ソルとのこと。予算が60-70なんだけど..って言ったらじゃあ70でええよーっていう軽さ。もっと低めで攻めるべきやったかな。70ソルもないのでカードで払おうとするとカードは使えない!キャッシュオンリー!いや「VISA」シール貼っとるやん。ペルーで何回目やこれ。ビザのシール貼ってるくせに払わせてくれへんやつ10回目くらいやぞ。仕方なくドルで22払う。73ソルくらい。


 ペルーとボリビア間はコパカバーナ経由かデサグアデーロ経由の二つのルートがある。前者は時間がかかるが安全らしい。後者は早いが危険らしい。国境の警察官が悪徳で物を盗んだり金を払えと言うらしい、という口コミを多数見かけたが実際に被害に遭ったという書き込みは驚くほど少ない。というか見たことがない。人の話の又聞きくらいの情報しか存在しない。予約したところではコパカバーナルートをこの会社は持っていないということで必然的に後者のルートを選択せざるを得なかった。というか買うか迷ってる間に勝手に発券しててもはや選択の余地すらなかった。しゃあないか。


 12時前に昼飯。最後にロモを食いたかったんや。マテ茶とあわせて10.5ソル。市内から2キロ離れただけで定食屋の値段は半額くらいになる。クスコという街は..。



昨日晴れていてほしかったなぁ、、、

 水力発電所でバスを待つのに一時間くらい待機していたが、変な虫がやたらいた。白い羽根に胴体は黄色か。コバエくらいの大きさで蜂みたいな見た目のやつがうようよ飛んでいた。で、露出してる肌をチクチク刺してきたのだが、その部分が赤塚不二夫の描く天然痘患者みたいに腫れている。調べてみたら、他にも被害者がいるようで一ヶ月くらい続くみたいだ。足とかめちゃくちゃ痒い。虫対策は入念にしないと。


 マクドナルドにてソフトクリーム1本で15時~4時間粘った。スマイルクルーたちの白い視線が痛い。クスコにいる間、毎日世話になった。あんがとな、清水。


クスコの夜景も中々。

 宿に戻ると洗濯はまだだよと食い気味に言われる。バスに間に合えば良いけれど。


続く