気付いたらスリを撃退していた話。 | *tapi旅* おかわりトルコ!イスタンブール

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何度も「おかわり」したくなる国トルコ。
勢い余って移住し、ゆるく激しいイスタンブール暮らしを堪能。満腹帰国後も、つまみ食いトルコ活動継続中!

 

ニット帽にダウンコートにあったかブーツ、とまだまだ真冬の装いだけど

気持ちのいい冬晴れでお出掛け日和だった2月のとある日のこと。

 

友達が、スリに遭い財布を盗られました。

盗られた財布を取り返しました、私。

 

その昔、旅行会社で働いていた頃は日本人旅行者の方と接する機会も多くてね。

 

やれ、スリに遭った!だ

やれ、ぼったくりバーに連れて行かれた!だ

やれ、詐欺(恋愛または金銭)に遭った!だ

 

被害話のオンパレードでございました。

かくいう私も、お勉強代を払った経験ございます。えぇ。

 

これはトルコに限らず、他の国でも共通事項かと思いますが

スリや詐欺師のプロフェッショナル度の高さといったら!んもぅ!!

すごいんだから。

 

旅行会社で働いていた頃は、スリ&詐欺手口の最新情報が

耳に入って来ていたけれど、今は違うからねー。

 

実際にスリに遭遇して

「ナルホド、こういう手口もあるんだね。」とお勉強させていただきました。

そして、瞬時に行動に出てしまったけど、後から考えたら危なかったかも・・・

と思ったので、今後のためにも書き留めておこうと思います。

みなさんもお気をつけくださいね!

 

* * * * * * * * * *

 

日本人の友人と、彼女のベビーちゃんと一緒に

道路を渡ろうと信号待ちをしていたときのこと。

(ちなみに場所は、カラキョイのトラム駅前の信号です。)

ベビーカーの調節をするのに、友人も私も意識がベビーカーに行っていました。

 

信号が青になったことに気づき、渡ろうとすると

私達が渡るのを遮るかのように、停止線を越えて(そもそも線あるのか?トルコw)

私達のすぐ脇まで、ゆっくり前進してきた一台の車。

 

「ナニこの車!!!

(運転席の死角になってるだろうけど)ベビーカーあるんですけどむかっむかっむかっ

 

と、腹が立って、その車にクギヅケだった友と私。

私達の後ろにいたトルコ人のおばちゃん軍団も一緒になって

「ベベッキむかっベベッキむかっむかっむかっ」 と応戦。 ※ベベッキ=赤ちゃん の意

 

車がやっとこさ止まり、いざ信号を渡ろう。と思ったら、急に慌てふためき出した友。

「あっ!あぁっっっ!!!」と背負っていたリュックに手をやると

リュックのチャックが全開になってるじゃありませんか叫び

 

私も同じリュックを持っていて、その日もお揃いで背負っていたのですが

構造的にも、簡単にシャーッと開けられるタイプではないのに。

 

気が動転しながら荷物チェックをすると、財布がない!!!

もはや言葉になってなかった気がするけど、友達が犯人らしき人を

指差してアワアワしている!!!

指差す先にいるのはそう、さっきの応戦おばちゃん軍団!

 

ベビーも一緒なので自分で追いかけることはできない彼女。

とっさの判断で、友達が指差すおばちゃんたちを追いかけた私。

(四方八方から車が出てくるあの道で、信号も確認せずに

おばちゃんまっしぐらで追いかけて、よく轢かれなかったな。)

 

友達が遠くから、「その人!その人!」みたいなこと言ってるけど

3人グループのおばちゃんのどの人のことなのか、いまいち分からず。

私が追いかけて行くと「なんなのよアンタ!」とコーフンし始めたおばちゃんず。

 

ホントにこの人たちが犯人なのか、さらにこの中の誰が財布を隠し持っているのか

私には何の確信もなかったので、ちょっと戸惑いながらも

「財布!財布!!財布!!!!!」と、トルコ語で連呼しまくりました。

気が動転して「財布」以外の単語が全く出て来なかった・・・。

 

交通量の多い道の中央分離帯で繰り広げられたヒトコマ。

最初は「イチャモンつけてくんじゃないわよ!財布なんて知らないわよ!」

な姿勢だったおばちゃんず。

もはや、どうやって取り返せばいいのかわからなくって困惑しつつ

ひたすら「財布!」を連呼し続けた私。

 

すると、マント型コートの下から手がニョキッと出てきた。

よくよく見ると、手には見覚えのある友の財布が!!!

 

えっ?あ??えぇっ??返してくれるの??

願ったり叶ったりだけど、まさかの展開に拍子抜け。

 

「ほらよっ、もういいでしょ?」と、その場を去ろうとするおばちゃんず。

 

「ダメッ!ちょっと待って!中身確認するから!!!!!」

と、やっとまともなトルコ語が出てきた私。

 

財布を取り返し、中身を確認してみる。

・・・も、自分の財布じゃないから、中身わかりませんがな~あせる

クレジットカードとお札、そして何より失うことが恐ろしい滞在許可証が確認できたので

とりあえず大丈夫でしょ。と思い、おばちゃんずを解放。

 

するとおばちゃんたちは、横づけしてきた車に乗り込んだ。

そう、しばらく前に歩道まで侵入して来た、あの車に。

 

 

友の元へ戻り、コーフン冷めやらずで動揺しまくりな私達。

なんでも友の方もその場で戦っていたようで、周りに居合わせたトルコ人たちに

状況説明をしながら、例の車のボンネットをバンバン叩きまくっていたそうな。

 

 

まさか!一緒になって車にキレてたおばちゃん軍団がスリだったとは。

そしてさらに、まさか!おばちゃん軍団と車がグルだったとは。

 

相手の意識を逸らして犯行に及ぶってよく言うけれど

まぁ、見事に意識を逸らされたもんですわ。まんまと引っ掛かったし。

 

実際、友達はリュックをグイグイされたりして違和感は感じてたらしいけど

それでも尚、意識が他のとこに行ってしまったわけですし。

 

旅行会社で働いてた時、よく日本人の旅行者の方たちに

「自分がおでこに福沢諭吉を貼り付けて歩いてると思って行動してくださいね」

なーんてアドバイスしてたけど・・・え、意味わかんない??

 

要は、「はぁーい、私、お金いっぱい持ってますし無防備でーす」って言いながら

歩いてるように見える。という自覚をしつつ行動をすべし。という意味です。

 

ホントその言葉、改めて自分に掛けてあげたい。

「あなたどんだけトルコに住んで慣れたって、傍から見たら

裕福な国から来たガイジンだし、おでこに福沢諭吉が貼り付いてますから!」と。

 

 

そして何より、とっさの判断で犯人たちを追いかけて

お財布を取り返しに行ってしまったわけだけど、相手が凶器や銃を持っていたら

殺されていたかもしれない・・・。

結果オーライ!ではあったけど、あの場で追いかけたのは正しい判断ではなかった

と、後になって思ったのでした。

 

その場で騒ぎ立てて、周りにいるトルコ人を巻き込んで助けてもらう。

が、正解だったような気がします。

(でも、そしたらお財布は返って来なかったかもしれないけど・・・。)

 

次回から、気をつけよう。

というか、もう十分にお勉強させていただいたんで、そういう試練は卒業!

でお願いしたい。と言うのが本音です。

 

 

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