「泣く」 or 「鳴く」 | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

令和2年初更新になります。無事予定どおり更新再開できました。喪中のため新年の挨拶は失礼させていただきますが、本年も当ブログをどうぞよろしくお願いいたします。

 

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日本で生まれ育った方ならまず間違わないと思いますけれども、ちょっとひっかかるところもあるなという言葉です。

辞書では一つの項目にまとめられていますが、意味の冒頭に表記がどちらか明記されています。「泣く」が、「悲しみ・苦しみ・喜びや痛さなどをおさえることができず、声をあげたり、涙を出したりする」「身にしみて、つらい思いをする。苦労を経験する」「無理や損を知りつつ承知する。権利をあきらめたり、しかたなく身をひいたりする」「実際の内容と隔たりが大きく、それと名乗るのがはばかられる思いがする」「染色や加工のとき染料が隣の色や白地の部分に浸出する」、「鳴く」が、「鳥・虫・獣などが声を出す」「物がきしんで音を立てる」「マージャンで、他の人の捨てた牌 (パイ) を (ポン) 、槓 (カン) する。または、左隣の人の捨てた牌を吃 (チー) する」という意味です。(全て意味はデジタル大辞泉より)

余り用いることはないであろう染料の件は置いておいて、おおむね「泣く」のほうは悲しみを感じるようなときと思っておけばよいのではないかと思います。

 

それで、ちょっと難しいなと個人的に思うのが、以下のようなときです。音は全く同じですが、違う意味になります。

 

例)どこからか泣き声が聞こえた。

  どこからか鳴き声が聞こえた。

 

要は主語が何かが問題で、人間のときは「泣き声」、動物や虫のときは「鳴き声」になりますが、この例の場合は主語がないため、前後の流れから判断することが必要です。

まあ通常なら間違うことはないとは思うんですが、このような単文の場合ですと日本語入力システムもきちんと変換してくれませんから、変換間違いが生じ、見直しをおざなりにしていたりするとその間違いを見逃してしまう可能性があります。気を抜かず丁寧な確認が何より重要となります。